新年のご挨拶とマイナスに賭ける話
皆様、あけましておめでとうございます(汗)
いやいや、昨年秋以来ですね(大汗)
去年前半はまぁまぁのペースで更新出来ていたと思うのですが、いやこの年末は、いざブログに取りかかろうとする度に新しいタスクが発生して、でも書こうという気持ちだけは本当に…え?気にしなくていい?わぁ!よかった〜! ……というわけで、年をまたいでしまいました♥
※あまりに何度もイイワケを繰り返してきた後なので、ちょっと開き直ってみました。
個人的に立ち上げたブログを数日ペースで更新しつつ何年も続けているブロガーさんっておられますが、爪のアカ頂きたいところです。
SNSの類や日記でもそうですが、何で皆そんなスゴイこと出来るんでしょう?
マジ向いてないっすわ(開き直ってみました♥)。
「やめちめえ」という声が皆様からも僕の胸の中からも聞こえてきます…が、やっぱりやめませんよ〜。
しゃべれない店なんか作ってしまったために、人生の大半を無言で過ごすハメになったアホなマスターの唯一のアウトプット発信元なのでね。
年イチ更新でも続けてやる。
そういう方向のギネス記録とかないんすかね。ないすね。
さて(さてじゃねぇよ)、昨年も沢山の方々にお世話になりました。
いつも同じこと言ってますが、こういう特殊な形態での営業を続けていけるのは全くもってお客様のご理解とご協力の賜物でございます。
ここを忘れてしまうとアール座は危ないな、という思いが常にあって、我々もことあるごとにこれを意識することを心がけている次第です。
遅くなりましたが、古くからの常連様から去年初めてお越し頂いた新しいお客様、わざわざ遠方からお越しの方からご近所の方、毎週のように通って下さった方から一度だけご来店頂いた方、貸切等でご利用の方々まで、ご利用いただきました全てのお客様とそのご縁に感謝を申し上げます。
2015年もアール座読書館に関わって頂き、誠にありがとうございました。
お気に召しました方は、どうぞ今後とも末永くよろしくお願い致します。
開業から丸7年も経つと考えてしまうのは、ずっと変わらず守り抜いてゆく部分と変化させてゆくべき部分についてです。
そんな私の今年の目標!
「マイナスに賭けろ」です。
さあ、何かすごそうなワード出ました。
平たく言うと、自分をどんどん変えていくというような意味を強烈に表した言葉なんです。
いつもと違う出来事やいつもどおりの流れをふいに止める小さな突発的な「ん?」という部分を、僕は普段からとても貴重なものだと思っていて、一つでも多くこれに揺り動かされることで人は幸せに近づけるんじゃないか、とまで考えております。
今回はそんな内容の所信表明のお話がつらつら続きます。
まぁアール座という店は性質上、今と変わらずに守っていく部分の方が圧倒的に大きいのですが、そんなお店をやっているだけに個人的には変化を迎えていくことが特に大事なことだと感じるし、これないとやっぱり全てがどうにも前に進まないもんです。
これでいいやってなると、なんか止まっちゃう。
店舗経営も。
でも何かを変えるってすごく面倒なことだから、沢山の変化や迷いを受け入れていく姿勢というのも意識していないとなかなか維持出来ないんです。
「いつも通り」って自分で決断や判断をしないですむから楽なんですよね。
別に楽しても良いんだけど、自分で決めずに済むことや間違えないことが幸せだと思って、これをひたすら続けていると、僕なんかはうつになりそうです。
環境のせいにするわけじゃありませんが、こういうタイプの社会って全てにおいてとにかく迷わないようにあらゆる細部にまでルールやセオリーが整備されていて、それに従ってさえいれば自動的に決まった結果まで導いてくれるかのように作られてる所が、何だか恐いくらいです。
自分で考えることよりも、正確な情報、ハウツー、セオリーを知ってることが大事、という世の中なだけに、スムーズにことが運ばないとアタマにくる人も多いですよね。
僕もアホになってるときは、道に間違えたり駅に駆け込んで電車に乗り遅れただけで何かを損したような気分になるもんです。
大きなガラスボトルの中にビー玉大のスチロール球を詰めて、上からそれらより重いビー玉を一つ入れてボトルをひたすら揺り動かしていると、ビー玉は右に行ったり左に行ったり、時には上にあがったりと無数の偶然の連続に紆余曲折しながらも、結局最後は一番底に辿り着きますね。
人の意志が運命を導く形って、このビー玉がボトルの底に辿り着く様相を呈しているように思います。
でも人間はこのビー玉がスチロールを通過して一直線に底まで辿り着くような非現実的なルートを正しい道のりとして思い描きやすいです。
沢山の偶然に翻弄され、左右され、失敗を繰り返すことやその度自分の感性で判断したり決断したりする部分を無意味なことと思ってたりします。
が、そういう風には絶対進まないんだなぁと、この頃僕は感じます。
なんかすごいな、今回のブログ。
ストレートに立派な話だ。
いいんだ。良いことも言っちゃうんだ、今年は。
そんな風に考えると、今自分の目の前にある結果や選択肢が自分の人生にとって幸せなことか不幸せなことかなんて、本当の所もう何十年か経ってみないと、ヘタすると人生の最後まで分からない話ですよね。
何かの資格試験を受けたら、普通は合格したら幸せで落ちたら不幸と感じます…が、例えばその十年後、三度目でやっと合格した人が、試験に苦労した分そこが後々強みになるというケース(これは本当によくあるパターン)もあるし、それを諦めて別の道で成功してから「あの時試験に受かってたらオレは只の弁護士になってたろう」と、六本木の高級マンション最上階の窓から夜景を見下ろしつつシャンパングラス片手につぶやくとか(やだ?)、それこそ結果として考え得るパターンが無数にあって、それを考えると「受かった方が幸せ」とか可能性の話としたって簡単に言えなくなって来ますよね。
一つ一つの結果やルートよりも、その人が常にどんな姿勢でいるか〜長いタームで思い続ける姿勢とか、様々な変化(新しい経験)を直感的に受け入れていく姿勢とか〜の方が正しいやり方なんかよりよほど運命を持って行く力があるんじゃないかと感じます。
先の例でビンの底が目指す場所なら、それを望み続ける気持ちとか自分を信じ続けることとかがビー玉の持っている「比重」に相当します。
高校でやった物理の授業では、これを位置エネルギーと言ってPで表したりしてましたが、このPはポテンシャル(潜在的な)の頭文字で、日本語だと「可能性」って意味でよく聞く単語ですよね。
う〜ん。いい話が止まらない。
金八先生ってこんな気持ちだったのかなぁ。
ぁ意志は〜物事を〜実現する力を、最初っから持ってるんです!
ただこれが、どんなに重くても置いといただけでは進まなくって、ビンを振って動きを起こしてバランスに変化を与えることで初めてビー玉の重さが動きに変わります。
でも僕らの置かれているこの環境はとても細かく整備されているし、僕ら自身も変化が嫌いなので、この「揺り動き」がなかなか起きにくいんですね。
で、僕は「これはもう自分から変なものに引っ掛かって真っ向から変化に向かう、で、その度自分の感覚で判断して自分で決める、という所からしか自分の時間が始まらないんだ!!」という結論に達したワケです。
…と、まぁそんな話で、今年の目標につながるんですが、また話が長いすね。
長いさ、アール座ブログだもん。
いやいや、実は「マイナスに賭けろ」という言葉は私の心の師、岡本太郎の言葉なんですけどね。
「え?うそ…まさか、こんだけ偉そうなこと並べ立てて、人の受け売りだったの?」と驚いているあなた…そうさ。受け売りだ。悪いか。
偉そうなこと沢山言って気持ちよかったぜ。
ただこっちの言葉は「変化を受け入れる」なんてナマやさしい話でなく、もっと強烈で恐ろしい決意です。
この人は、人生で何かの選択にぶつかった時はいつも、最も困難な方、嫌だと思う方、怖い方、苦手な方、失敗しそうな方を必ず選びとって進んで来た、と言うんです。
信じらんないことするでしょ。
「いつもじゃないこと」や「慣れてない方」を選ぶ、というのと次元が違います。
でも何か分かる気もします。
これ別に自分をいじめて鍛えるというのではなくて、きっとこうしていった方がどんどん可能性が広がって、どんどん楽しくなってくるんだろうな、という気がするんです。
まぁ正直僕は太郎のように出来る自信はありませんが、でもそれよりかレベル低いのなら近い話があります。
実は僕、子供の頃すごい偏食だったんです。
食事やお菓子も含めてあらゆる食べ物が嫌いで、野菜なんて食べられるの3,4種類程でした(両親共に放任主義)。
これを、一人暮らしを始めて自炊するようになってから意図的に変えていったんです。
これはちょっと…と思うような苦手なモノばかり毎日食べていったんですね。
何でそんな辛いことをあえてしたのかというと、実はちょっと違うんです。
いや、めちゃくちゃ楽しかった。
言ったら食の好き嫌いなんて全部タダの思い込みですよね。
だからツラいのなんて一時のことで、「これ初めて食べるけど美味しいものらしいよ」と本気で思い込んで、気持ちを完全にリセットしてから挑むことで次々に克服出来るんです。
嫌いなものを克服すると逆に好物になったりもするし、そうやってどんどん味覚の幅も食の喜びも増えて行って(楽しい楽しい)、最後の最後に残ったボスキャラが単独で食べるラッキョウでした。
カレーに入れるのはかなり早い段階でやってたのですが、単独となるとどうしてもウエッてなっちゃって、無理に食べれても美味しいとは思えなかったんですね。
で、23歳の夏にこいつを倒して(あ、ほんとだ!美味しいじゃん!と思えた)僕は無敵になりました。
今や、テレビなんかで見かける北欧の魚発酵させた缶詰とか動いてる芋虫をまんま行くやつとかでも「これはムリ」と思うものはありません(目の前にすると違うのかな?)。
無敵です(多分…)。
そんな話はどーでもいいのですが、これに付随して、大して食に興味もなかった僕が食べ歩きや創作料理を趣味にするようになり、挙句の果てに飲食業に就いてる始末です。
この程度でこれだと、太郎のように全てマイナス(悪い方)にかけていく人生って、きっとすごいと思うんです。
人間って無意識にも自分で自分にカセのようなもの〜好みとか習慣とかこだわりとかルールとか〜を沢山作って可能性を狭めていくクセがあると感じるのですが、これがどんどん外れて行くと、きっとミラクル連発の人生になりそうとか思います。
なので、今でも僕は「いつもと違う帰り道選んでみる」とか「前回とは違う所で買ってみる」とか、普段から意図的にやってはおります。
「困難なこと」と「いつもと違うこと」というのではもちろんレベルが違いますが、多分レベルの違う同じ質のことだと思います。
でもこれを今年はレベルアップして目標に…て、もう長いすね、これはちょっと。
今回のはさすがに長い。
ここまで読んでしまった方(何人いらっしゃるか…)、すっごいありがとうございます!
でも、私ごとの今年の目標の話などでお時間使わせてしまってすみません。
もう終わりますね。
平安を与える印象の強いアール座ですが、そんな思いから、実は日常にアクセントを加える小さな「?」やハッとする出来事、ちょっと自分で考えたり決めたりする要素〜を大切にしていて、それがあちらこちらに地雷のように置かれているわけなんです。
例えば、オーダーのタイミングなんかもウチはかなり自由で(すみません、すいてる時の話です)、入店後すぐにオーダーというルールもありませんので、慣れてる方で長い方なんかは一時間くらい落ち着いてからご注文頂いたりしますよ(入店後2時間半位までにドリンクの追加をお願いしております)。
ご注文も基本的にはこちらからお声がけしませんので、お暇ならご自分のタイミングを楽しんでみて下さいね。
普通の喫茶店と勝手が違う所や、特に初めての方などには多少戸惑わせてしまう所もあるかも知れませんが、よかったら「?」と迷って考えることを楽しんで頂けたら幸いです(もちろん、不明な点はお気軽にスタッフまでお尋ねください)。
で、どんな小さなことでも、いつもと違うことを何かしら持って帰って頂けたらとても嬉しいです。
あ、そうだ。それで思い出した。あと1エピソードだけ…
例えば蛾なんてどうでしょう?
きっとお好きじゃない人の方が多いですよね。
ご来店頂く時、外から入ってアール座入り口に向かう階段を上り、一番上から3段目辺りで見上げると、天井の片隅に2,3センチ程の小さな蛾が一匹とまってるんです。
と言ってもこの人、去年の夏頃からずっとそこにとまっていて、まぁ多分とっくに自然の標本と化しているようなんです。
が、この子、淡いオレンジ色がすごくキレイで可愛らしいんです。
実は僕、蛾の色彩ってすごく好きで、この微妙なグラデーションに慣れると逆に蝶のデザインなんかが派手で下品に見えてしまう程に渋い色合いを持ってるんです。
なので、何となくその子もずっとそのままにしてあるんですが、とは言え蛾ですので、お好きじゃない方が見たらきっと逆にすごく気持ち悪いのかもですよね。
蛾であるという意識を捨てて、純粋に色彩と造形だけで見ることが出来た時初めて、きっとその可愛らしさを感じて頂けるんじゃないかと思います。
まぁアール座のお客様方だと、それ位普通にお分かりになる方も沢山いらっしゃるかもですが、でも蛾がカワイイってちょっと意識を変える新鮮な出来事じゃないですか?
興味ある方は、ご来店の際にでも、ちょっと見上げてみてくださいね。
本当にお嫌いな方はひたすら足元を見たまま、決して見上げずに通過して下さい。
年明け早々、長文ブログやってしまいました。。
本年もどうぞよろしくお願い致します。