3階 エセルの中庭
本棚はありませんが、アール座と似たような空間です。
詳しくはこちらにどうぞ→エセルの中庭
夏が少しづつ遠のいてゆくと、次の季節はアール座のベストシーズンです。
そして今年もまた虫達の合唱が聞こえます。
例によってスズムシ、マツムシ、エンマコオロギ、カネタタキなどが既に店で元気よく鳴いていて、この後カンタンなども入荷予定です。
おなじみの顔ぶれなので、虫の種類や鳴き声に関してはこのブログ、去年9月の「秋の虫の音楽会2011〜」や2010年9月の「虫の声」等をご参照下さい。
毎年この時期はBGMをあまりかけませんし、空調の音も弱くなりますので、アール座の静寂感がぐっと濃くなる時期でもあります。
それも含めて、秋はアール座が最も映える季節ではないかと、毎年勝手に言っております。
あまり静かだと、初めての方など、緊張されて忍び足になってしまう方もおられるかもですが、ウチのお店ではある程度続くお声や物音に比べて、一時の足音や床のきしみなどは気にされない方がほとんどです。
どうぞ気持ちを楽にして静寂を楽しんで頂けたらと思います。
でもこんな風に、都会に住んでいるとこの「静けさ」というものが何か通常ではない特別な事態のように感じてしまいますね。
30年程前は東京の夜でも繁華街でなければ深夜営業している店などはほとんどなく、町も静かなモノだったのを僕も覚えています。
もっと昔、というよりも元来人間は日が沈んでから、生活の半分くらいの時間を静けさの中で暮らすものだったのでしょう。
だからきっと、カラダのつくりもそんな風になっているはずです。
比べると現代の暮らしでは、音声を含め感覚を刺激する何らかの要素が常にあって、睡眠以外の時間中は脳が絶え間なく何らかの情報を処理し続けているような生活を強いられますね。
さらには強いられなくても、いつも何かしらの情報処理をしていないと気持ちが落ち着かないという感覚に迫られて、やることが無くなるとついつい何かを見たり聞いたりしてしまいます。
現代人は神経が疲弊してしまうワケですよね。
かくいう僕もそうです。
仕事で疲れて家に帰ったら、部屋でぼーっとしていれば良いのに、ついTVをつけてしまいますね。
何もしないでいるということが出来なくなっているのでしょう。
でも部屋で見てないTVがついてるだけで、無意識に脳はその情報を処理してしまうんです。
だから、こういう暮らしの中で本当に神経を休めようと思うと、なかなか難しいんですね。
私見ですが、TVや本やPCよりは音楽の方が良いと思います。
さらにインストや洋楽の方が、言語情報が入って来なくて良い気がします。
でも音楽は感情的な抑揚があるので気持ちを波立たせるのが難しい所です。
そういう意味ではもちろん何も聞かない方が情報処理は休まります。
ただ、何も見ず聞かずにいると、普通の人は考え事が頭の中でぐるぐると巡り出してしまうというのもありますよね。
ヨガや仏教の瞑想でも、そのこと自体はそれ程悪いことではないと言いますが、個人的な悩みなんかに引っかかると、それはそれで疲弊してしまいますよね。
禅のお坊さんが雨だれの音を使って心を鎮めるように、やはり何かしらのとっかかりがある方が心を安らげるには良いように思います。
雨だれのようにあまり感情的ではない、繰り返される美しい音なんかがあると良いですね。
そういえば今の時期だと、虫の声なんかは最適ですね。
でも都会ではなかなか難しいです…いや、東京のまん中、高円寺にそれを実現出来るお店が一軒ありますよ!
どうです。
流れるような展開でお店の宣伝に持ってきました。
マスター、ダテに何年もカフェブログをやっている訳ではありません。
まぁしょーもないブログにダマされたと思って、ぜひ遅い時間にお店に来てみて下さい。
お仕事で来られる方も10分でいいから手を休めて、その間はひたすら虫の声だけ聞いて見て下さい。
都会に暮らす現代人には本当に意味があることだと(勝手に)思うので、毎年せっせとこれをやっているんです。
感性のある方なら少しの間でも聞いて頂ければ、きっとその意味が分かりますよ。
ただ、毎年虫が鳴くのは9月いっぱいくらいまでなので、どうかご了承ください。