2010年御礼とこれからの抱負
2010.12.30 Thursday 01:23
この所少々慌ただしく過ごしてしまい、久しぶりの更新が年末のご挨拶になってしまいました。
月イチ更新というだけも残念なブログなのに…皆様ごめんなさい。
何だか今年は色々なことがあり、色々なことを考えてしまう年でした。
元々が考えてしまうタチなので、特にこの2、3ヶ月は「これからアール座で何が出来るんだろう」とか「結局自分は今生何をして死んでゆくんだろう」とか、そんなことにまで思いを巡らせてしまう始末でした。
私は大丈夫なんでしょうか?(知るか)
3年続くかなぁと始めたアール座読書館も、本当に皆様のお陰をもちまして4年目に突入です。
「皆様のお陰…」と言うと何だか決まり文句の様ですが、ウチの様な店の場合はその重みが違ってきます。
こういう特殊な業態でも、何とか経営を続けて行けるのは本当にお客様方のご理解とご協力なしにはあり得ないことなんです。
開業前や開業直後は周囲の人達から「そういう業態は成り立たない」「金にならない」「人が集まる形ではない」という内容のことを言われまくって、僕も随分と不安でした。
会話や単価の話から、果ては新しいマンガやグラビアの写真集を入れなきゃとか酒飲ますんだとか、言われ放題でしたが(やらなくてよかった…)、決して多数派ではなくてもこういう場所が好きな人は絶対いてくれるはずだー、とヘンな日本語で思っていました。
今、店でそんな人達にお会いする度に、これを信じ通してよかったとつくづく感じます。
ビジネス面だけを重視して業態を考えていたら、きっとお会い出来なかった方々だと思うからです。
何度も心に浮かんで来るやりたいことはやっておいた方が良いということと、そのためには不安要素を羅列するよりも膨らむイメージを育て続ける姿勢の方が余程大事なんだろうと確信した次第です。
きっと、今生の僕がするべきことはそんな類いのことなんだろうなとも感じています。
そして今改めて思えるのは、人の関わり、影響し合うことと、それがもたらしてくれる変化の大切さです。
「話も出来ない店を経営しておいて何言ってんだコイツ」と思う人もいるかも知れませんが、こんな店にも知らない間に起こっている無数の小さなコミュニケーションがあるんです。
そしてこういう空間に起こるコミュニケーションが、実は結構スゴいことなんではないかと最近考えているんです。
例えば「店で僕が何となく机の引出しに入れておいた小物を見つけたお客様が、それで少しだけ気分が変わって何となく軽やかにお帰りになるのを僕が感じて、次のお客様に…」とか、そんな些細なことでさえ果てしなく続いてゆく、人同士の関わりについてです。
些細なことですが、感覚的な状態の中ではこんなちょっとしたことがその人生を変えてしまう場合だってあります。
別に人生を変えなくても良いのですが、そんな風に敏感に感じ取った、周囲のささいなことや自分の内側にある小さなものが、自然と人の生活を前に進めるきっかけや変化を起こす様に感じます。
もちろんこれはどこにいても起こることですが、人が集まる割に会話が少なく感覚的になりやすいアール座の店内では、より強いレベルでこういう連鎖が意識出来る様に思えるんです。
元々は「人が幸せになれる店にしよう」と意気込んで始めた店ですが、最近ではそれも少々おこがましいのではないかと言う気になりつつあります。
お座席のらくがき帳を見て、多くの方がそれぞれの事情や条件に挟まれて悩んだり迷ったりしながらも、何かを見いだそうとして、ちゃんとモノを見て何かを感じ考えていることを垣間見させて頂くと、ほんのひとときの小さなことにも、人はそれぞれの感受性の力で小さな「気づき」を得て、その繰り返しで前に進むんだなぁという感慨を頂きます。
またその内容が更にそれを読んだ次の人に変化を与えている様子も垣間見えます。
そんな風に皆さんが思い思いに感覚を開いてこの場所と関わって下さるということには、決して小さくはない意義がある様に感じられ、アール座が目指す場所としてこれに勝るモノははないなぁと思わせてくれます。
あまりお客様ともお話出来ない店ですが、本でもお茶でも水槽でも植物でも静けさでもヒマつぶしでも、もっと些細なことででも、そんなレベルで皆さんの日常に関わっていける店であれたらいい、という気持ちが今の僕の目指す所です。
ずっと部屋に引きこもっていたい気分の方が、少し外に出てみようかなと言う時にだって、気軽にご利用頂きやすい空間ではないかと思います(最初の入り辛さはありますが…)。
「袖触り合うも…」と言いますが、お会計の時なんかに「自分とこの人との間に、前世で何があったのかなぁ」とかつい思ったりしてしまいます。
人と関わること、影響し合うことに、人間(じんかん)に生まれて来た意味があるのかなとか思ったりします。
若い頃から結構ヒトが苦手だった僕ですが、お陰様でそんな風に感じられるまでになりました。
もうこのこと自体が、皆様と関わらせて頂いた恩恵そのものですよね。
今年ご利用頂いた全ての方に心より申し上げます。
アール座に関わって下さり、本当にありがとうございました。
何だか閉店の挨拶みたいですが、もちろん違いますよ。
来年も再来年も、アール座読書館をどうぞよろしくお願い致します。
それでは皆様よいお年を
5年程前に「こんな店作りたいなぁ」と案を練っていた頃に3Dソフトで描いた構想図です。
月イチ更新というだけも残念なブログなのに…皆様ごめんなさい。
何だか今年は色々なことがあり、色々なことを考えてしまう年でした。
元々が考えてしまうタチなので、特にこの2、3ヶ月は「これからアール座で何が出来るんだろう」とか「結局自分は今生何をして死んでゆくんだろう」とか、そんなことにまで思いを巡らせてしまう始末でした。
私は大丈夫なんでしょうか?(知るか)
3年続くかなぁと始めたアール座読書館も、本当に皆様のお陰をもちまして4年目に突入です。
「皆様のお陰…」と言うと何だか決まり文句の様ですが、ウチの様な店の場合はその重みが違ってきます。
こういう特殊な業態でも、何とか経営を続けて行けるのは本当にお客様方のご理解とご協力なしにはあり得ないことなんです。
開業前や開業直後は周囲の人達から「そういう業態は成り立たない」「金にならない」「人が集まる形ではない」という内容のことを言われまくって、僕も随分と不安でした。
会話や単価の話から、果ては新しいマンガやグラビアの写真集を入れなきゃとか酒飲ますんだとか、言われ放題でしたが(やらなくてよかった…)、決して多数派ではなくてもこういう場所が好きな人は絶対いてくれるはずだー、とヘンな日本語で思っていました。
今、店でそんな人達にお会いする度に、これを信じ通してよかったとつくづく感じます。
ビジネス面だけを重視して業態を考えていたら、きっとお会い出来なかった方々だと思うからです。
何度も心に浮かんで来るやりたいことはやっておいた方が良いということと、そのためには不安要素を羅列するよりも膨らむイメージを育て続ける姿勢の方が余程大事なんだろうと確信した次第です。
きっと、今生の僕がするべきことはそんな類いのことなんだろうなとも感じています。
そして今改めて思えるのは、人の関わり、影響し合うことと、それがもたらしてくれる変化の大切さです。
「話も出来ない店を経営しておいて何言ってんだコイツ」と思う人もいるかも知れませんが、こんな店にも知らない間に起こっている無数の小さなコミュニケーションがあるんです。
そしてこういう空間に起こるコミュニケーションが、実は結構スゴいことなんではないかと最近考えているんです。
例えば「店で僕が何となく机の引出しに入れておいた小物を見つけたお客様が、それで少しだけ気分が変わって何となく軽やかにお帰りになるのを僕が感じて、次のお客様に…」とか、そんな些細なことでさえ果てしなく続いてゆく、人同士の関わりについてです。
些細なことですが、感覚的な状態の中ではこんなちょっとしたことがその人生を変えてしまう場合だってあります。
別に人生を変えなくても良いのですが、そんな風に敏感に感じ取った、周囲のささいなことや自分の内側にある小さなものが、自然と人の生活を前に進めるきっかけや変化を起こす様に感じます。
もちろんこれはどこにいても起こることですが、人が集まる割に会話が少なく感覚的になりやすいアール座の店内では、より強いレベルでこういう連鎖が意識出来る様に思えるんです。
元々は「人が幸せになれる店にしよう」と意気込んで始めた店ですが、最近ではそれも少々おこがましいのではないかと言う気になりつつあります。
お座席のらくがき帳を見て、多くの方がそれぞれの事情や条件に挟まれて悩んだり迷ったりしながらも、何かを見いだそうとして、ちゃんとモノを見て何かを感じ考えていることを垣間見させて頂くと、ほんのひとときの小さなことにも、人はそれぞれの感受性の力で小さな「気づき」を得て、その繰り返しで前に進むんだなぁという感慨を頂きます。
またその内容が更にそれを読んだ次の人に変化を与えている様子も垣間見えます。
そんな風に皆さんが思い思いに感覚を開いてこの場所と関わって下さるということには、決して小さくはない意義がある様に感じられ、アール座が目指す場所としてこれに勝るモノははないなぁと思わせてくれます。
あまりお客様ともお話出来ない店ですが、本でもお茶でも水槽でも植物でも静けさでもヒマつぶしでも、もっと些細なことででも、そんなレベルで皆さんの日常に関わっていける店であれたらいい、という気持ちが今の僕の目指す所です。
ずっと部屋に引きこもっていたい気分の方が、少し外に出てみようかなと言う時にだって、気軽にご利用頂きやすい空間ではないかと思います(最初の入り辛さはありますが…)。
「袖触り合うも…」と言いますが、お会計の時なんかに「自分とこの人との間に、前世で何があったのかなぁ」とかつい思ったりしてしまいます。
人と関わること、影響し合うことに、人間(じんかん)に生まれて来た意味があるのかなとか思ったりします。
若い頃から結構ヒトが苦手だった僕ですが、お陰様でそんな風に感じられるまでになりました。
もうこのこと自体が、皆様と関わらせて頂いた恩恵そのものですよね。
今年ご利用頂いた全ての方に心より申し上げます。
アール座に関わって下さり、本当にありがとうございました。
何だか閉店の挨拶みたいですが、もちろん違いますよ。
来年も再来年も、アール座読書館をどうぞよろしくお願い致します。
それでは皆様よいお年を
5年程前に「こんな店作りたいなぁ」と案を練っていた頃に3Dソフトで描いた構想図です。