新年のご挨拶とストレスの話

2018.01.10 Wednesday 22:55

皆様、明けましておめでとうございます。

 

一年が早いですね。あまりにも…

いつの間にかすっかり年が明けててびっくりました。

 

んで、寒いすね。

久しぶりに冬っぽい冬だなぁとか思ってぷるぷるしております。

 

皆様体調など崩されておりませんでしょうか。

 

さて、アール座読書館もお陰さまで9歳

そしていよいよ10年目を迎えます。

 

10年目だって…

 

思わず経てきた道のりを振り返って「いやぁ〜10年か〜」と感慨にもふけってしまいますが、その後続けて「アール座も9歳かぁ〜」と思って、「え?9歳か…」となりました。

 

人なら位でしょうか

 

まだまだ全然チビですね 

ようやっと少しだけ周りの世界が見えてきた位の頃でしょう

 

9歳児が「いやぁ〜色々なことがあったなぁ〜」なんて自分の人生を振り返ってたら笑っちゃいますね。

 

思わず感慨にふけるのを中断してしまいましたが、その後「いやいや、色々あったし!」「わし頑張ったもん!」と言う気持ちもこみ上げてきたので、もう一度改めて感慨にふけり直すことにした年の暮れでありました。

 

もっとお爺ちゃんになったら鋳造の立派な看板作って、店名の下にsince 2008〜なんて入れてみたいもんです。

 

 

さて、お陰様で今年も何ごともなく無事一年を終えることが出来ました。

これも一重に…え?違う? 

 

はい、そうでしたすみません。

一つ前のブログで書いてる内容はゴマかせないですね。

 

自らのへなちょこぶりを露呈しつつ、皆さまにもご迷惑をおかけした一年でございました。

 

改めてお詫び申し上げます。

 

自分が作った空間でお名前も知らない方々(かたがた)方々(ほうぼう<ややこし>)から足をお運び頂いては自分のいれたお茶飲んでくつろいで下さるのって、若い頃から無用モノ意識の強かった僕のようなモンにはこれ以上ない程恵まれたありがた〜い境遇です。本当に。

 

「なんか体調ワリィんで…とか言って休んでる場合じゃないです

 

いやいや、もうトシなんでしょうかね…

 

よく中年男あるあるで、街中で自分が若い頃のジャンプ力の感覚でガードレールを軽くひょいっと飛び越えたつもりが、現実には全然足が上がっておらず、思い切りつま先をかけて派手に車道に転げ落ち、注目を浴びてしまう(もちろん体験済ピース)とかありがちなのですが、それに似た感じがしなくもないです

 

あれあれ?って感じですかね。

 

別にここで言い訳してるワケじゃないんですが、この所ちょっとそんなこと考えたりしてます。

 

よく飲食業界で「店舗を開業して三年後に残っている店が3割で十年後だと1割」という話が囁やかれたりします。

 

信ぴょう性の程は分かりませんが、本当ならば何ともありがたい話です。

 

ただ、最初の3、4年でパタパタと閉じていくのは実感として良く分かります(身にしみて知ってる)。

 

でも、そこまでもったお店が10年目までに更に半分以下になってしまうのは何なんだろうと思っていました。

 

最近では「その理由がもしかしてこういうことなんじゃないかなぁ」なんて勘ぐったりしてます。

 

つまり、開業以来張り続けていたオーナーの体力やメンタルがぷつっと切れるとか…パターンとしてありそうな気もする。

違うかな?知らないけど。

 

 

ただ(ご迷惑をおかけして言えた義理でもないんですが)、個人的にはこのタイミングで突然の休みとかとってみて良かったなぁと思える所もあるんです。

 

なんか色々重たい時期って、過ぎてみるとその感覚自体を忘れて、「アレ一体何だったんだ?」とか「別にちょっと踏ん張ればやり過ごせたんじゃないか」とか思えてきたりもしますが、ちゃんとダウンしてみることで、自分の体やメンタルの状態をしっかり意識する機会も持てるんですね。

 

もちろん世の中にはもっともっと比較にならないくらいハードで神経をすり減らす仕事で気張り続けてる人だって沢山いるんですけどね。

 

いいんです、おいらそんなタイプじゃないもん。へらへら。

 

かと言って、逆にもっと中央線のお店っぽく「ちょっと旅に出るので少しの間お休みします」的な貼り紙してふらっといなくなっちゃうのとかも、キャラ的にサラっと出来ないんだなぁ…。

 

っていうかそもそもこんな風に他のタイプの人と比べてること自体、ストレスの元になってそうですね。

もうやめよ。

 

 

ただもう一つ、これはお伝えしなければいけないお話です。

 

突然の長らくのお休みを終えた後、また夜間営業を再開した後に(当然不安でいっぱいでした)、また皆さまが以前と同じようにその時間にご来店下さって、以前と同じように営業が続けることが出来たということが、何というかもう、ただただ本当にありがたいことだなぁと実感致しました。

 

そもそもお客さんいなかったら、休業や再開どころか僕の生活すらないんですからね。

 

本当は何とも言い表せないことですが、シンプルに申し上げます。

 

いつも本当にありがとうございます。

 

またさらに、優しいお声がけや書き込みも頂きまして「これはもう、ちょっとかんたんな話じゃないなぁ」とも実感しております。

 

またそんな形でなくても、このお店ではお座席の方とものすごく伝わるものがあるんですよね。

 

アール座って、お話出来ない分すごく濃い空気のコミュニケーションがあるように感じませんか?

 

そんな無言のコミュニケーションも含めて、そんな皆様に、またそんな皆さまとの全てのめぐり逢わせに、感謝感謝です。

 

このお店の礎(いしずえ)がここにあるんですね。

 

僕、若い頃人嫌いな方だったんですがね…。

 

小学校の道徳の時間に教わるようなことが、四十代後半にしてやっと分かるようになりました。

 

こんな私共々、本年も、また末永くアール座読書館を何卒どうぞよろしくお願い致します!

 

今年は抱負とか語る余裕がない!

 

 

 

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平日夜間営業再開のお知らせ

2017.10.23 Monday 00:48

皆様お久しぶりでございます。

   

ようやっとブログを書けるレベルの頭脳にまで戻ってまいりました(笑)

 

もうずいぶん経ってしまいましたが、この夏の突然の休業とその後の営業時間短縮に際して、長期に渡り皆さまにご迷惑をおかけいたしましたことを先ずはお詫び申し上げます。

 

ちょうどこの休業期間中に何か辛いこととかあって、この店のような場所が必要な精神状態になって困ってしまった方もあるかと思います。

 

遠方からいらして、閉ざされたシャッターの前で茫然とされてしまった方、本当にごめんなさい。

 

また、お仕事帰りなど、いつも日課のように遅い時間にご利用されていた方には長期に渡りご迷惑をおかけしてしまったかと思います。

 

中には僕のことでご心配頂いた方もいらっしゃいましたようで、何とも申し訳ないような情けないような心持ちでおりました。

 

ごめんなさい。

 

お店の方は11月2日木曜日より、ようやく本来の時間帯(10:30閉店)で再開出来る準備が整いました。

 

大変お待たせ致しました。

 

僕ももう大丈夫です。

 

大病を患ったワケでもないのですが、長年の何と言いますか色々な種類の疲労心労が積もり積もって、身体や神経やがいっぱいいっぱいのまま感情も不安定な状態が続、ついにパッカーンとってしまいました(なんだそれ)。

 

どうご説明したら良いのか難しいのですが、これまで何とかこなしていた毎日の半日超労働が体の不調と共にキツくなって来たり(この2店は時間外の設備造作の維持管理が地獄ハート、以前は何でもなかった日々のちょっとした出来事がいちいち気持ちに刺さって来るような精神状態になってしまったりと色々重なりまして、恥ずかしながら一時的に店に立つのが辛くなってしまった次第です。

 

うーん…向いてないのかな…接客業…

 

生来コミュニケーションが苦手なタイプで、世のカフェオーナーさんみたいな人好きのするタイプと真逆の人見知り気にし過ぎキャラだし…何て言うか、場を仕切るのも苦手だし…体力落ちたし…メンタル弱いし…やはりこの職種は気質的にちょっと無理する部分が…

 

…ってそれがどうした!

 

職種溢れる世の中で「向いてないからやめた方がいい」とか簡単に言われる昨今ですが、向き不向きなんて実は大した話じゃないですよね。

 

だって全然やめたくないもん!

 

お客さん商売大好きだし!

 

すみません。なんで謝罪の後に逆ギレしてんだ。

 

という訳でお休みを頂き、勤務体制も再編成して僕自身も完全復活致しておりますので、営業時間は元通り22:00ラストオーダーの22:30クローズに戻します!

 

大変お待たせして申し訳ありませんでした。

 

僕の方も今ではすっかり落ち着いております。

 

を言いますと休業中の方が何だか調子も悪くて、どうにも神経が波立って夜も眠れず、目をギラつかせながら深夜の公園など徘徊してはお巡りさんの職質受けたり犬に吠えられたりして、家に帰って「おれは大丈夫なのか?」と朝方まで自問自答したりしてました(この手の人が珍しくない中央線沿線在住で良かった)。

 

が、さすがにこれ以上休んでいられないと時間短縮の形で店を再開させてもらいました所、不思議とそれから気分も落ち着き、この所はまともな睡眠や自分の時間が持てる毎日の中で久しぶりに穏やかな心境に戻りつつあります。

 

で、何とか平日夜の再開にこぎつけることも出来てやっと一安心という感じです。

 

経営者一人の体力やメンタルに影響されず、長期的に安定して維持出来るシステムを目指し、もっと健康的な若いスタッフに頼る方向を探ってみました。

 

店のコンセプトや目的意識、空気を作る細かいコツなどをスタッフ一人一人にかなり細かく伝えることになるのですが、皆、繊細に理解しつつ献身してくれております。

 

これだけ休んだ後で申し上げるのも何なのですが、ぜひぜひ、どうかどうかご利用頂けたらと思っております。

 

バイトを延長するので経営的なこともあるんですが、もう一つにはこの時間帯が今、穴場のような貴重なタイミングになっているというのがあるんです。

 

この所ありがたいことに土、日、祝日のピークタイムにご来店が集中し、またそのあたりは作業、お勉強使いの方の比率高いので多少慌しく現実的でもあり、正直アール座が理想と目指すあの透き通るような静寂空間を長いタームで実現することが、週末の昼間は部分的にちょっと難しくなってしまっている状況があるんです。

 

休んでおいて何ですが、平日の昼間にお仕事あってアール座を気に入って下さる方々やはりあの夜の時間帯をご利用頂きたく、急ぎ(これでも)体制を整えた次第です。

 

実はその昔、アール座読書館は21時閉店で開業したんですね。

 

こんなコンセプト通じるかな、という思いの中で始めたのですが、結果、最もアール座的な使い方をして頂けるお客さん層にお勤め帰りの方が多かったんです。

 

ただ、その方々だけは使える時間がかなり限られてしまうというジレンマに陥ってしまったため、閉店時間を限界まで伸ばし、体を張って守って来た…つもりがモウロクして守りきれなかった、というのが今回のオチでした。

 

つまりあそこって非常にアール座っぽい、お店にとっても大切な時間帯だったんです。

休んどいて言うのもなんですが…。

 

アール座は基本的に静かな場所ですが、中でも時々、神がかったような静寂がふいに訪れる瞬間があります。

 

無音空間というものとは違います。

音や動きはあっても、何だか空気が心地よく沈んで海の底みたいな神秘的な時間になったりするんです。

 

戸外の様子か、温度湿度みたいな条件なのか、またはそこにいる人や他の生き物が皆リラックスしつつ、落ち着いた波長が偶然揃うようなタイミングなのかなとも思いますが、本当の所良く分かりません。

 

一応スタッフにもそれを目指すよう伝えるのですが、実際は中々意図的に作れるものでもなく、やっぱりタイミングの話なんですね。

 

遅い時間はそんな波が多く長く訪れる時間帯でもあります。

 

空席待ちもほとんどありませんので、「どんなとこだろう?」と初めて利用される方にもおすすめの時間帯であります。

 

「こちとら使おーったってハナからその時間しか使えねぇんだ 何でもいいからとっとと延長しやがれ」と言う、復帰を待っていらした常連様の心のお声(そんなべらんめぇじゃないかもですが)も聞こえる気がします。

 

これだけお待たせして、本当にありがたいお気持ちだと思います。

 

実際平日の夜に利用されていた方々が、この所休日にいらっしゃるような場面をお見かけしても、それを感じて焦っておりました。

 

重ね重ね、大変お待たせいたしました。

 

11月2日木曜日より、平日夜間営業に戻します。

 

まだ未熟ですが、意識高い若いスタッフが対応する時間もございます。

 

僕も店を見つつ、延々手がけている2店舗の完成形を目指して(アール座すらまだ完成してない!?)、ガウディと競争するくらいの気持ちで無理せずがんばります。

 

そしてもちろん、週末も静かな時間は沢山ありますよ。

 

言ってもウチは静寂を売ってるお店なので、昼間だって普通のカフェよりは断然静かです(寒い日、雨の日特に狙い目)。

 

どうぞこれからも末永くアール座読書館をよろしくお願い致します。

 

こんな奴に言われたくないかもですが、皆様も無理せぬようお体気遣って下さいね。

 

特に睡眠。意外と大事。

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昨年もお世話になりました!

2017.01.01 Sunday 03:00

あけましておめでとうございます。

 

元日更新です。

 

皆様どんなお正月を過ごされるのでしょうかね。

 

僕は今お休み中なもので、ここ数日は何だかお散歩ばかりしております。

自論ですが、冬って結構、初夏や秋に負けない位お散歩シーズンですね。

 

外の景観は良い感じに枯れてきて、北風に身をすくめながらも、なんだか爽やかな気分です。

 

静かな割りに季節感の濃い所がこの季節の魅力だと思うのですが、冬場に良く見かける雑草の葉の形状に「ロゼット」と言うものがあって、僕はこれ見ると「冬だなぁ」って感じます。

 

今頃の季節、空き地や草地に目をやると、地面から直接、細長い葉が平たく放射状に生えているような草、よく見かけますよね。

 

タンポポとかナズナ(ぺんぺん草)なんかは暖かい季節に咲いていた花や高い茎が落ちた後、地面の葉だけが残って冬を超すのですが、その冬越し用の形がこれなんです。

 

僕が毎日通うルートの途中にも、毎年秋の終わり頃に夏の枯草がきれいに刈り取られて更地になった後にまた新しく小さなロゼット状の葉が生えて来る土の路地があって、ちょうど今頃は赤ちゃんのような可愛らしいこれらが土の上にポンポンと幾つも置かれています。

 

花も実もないから地味で目立たないし、誰にも相手にされないどころか、ばんばん人に踏みつけられて潰れてたりする植物ですが、複雑な形状の葉を持つロゼットはデザインが可愛らしく、雪の結晶みたいの(特にタンポポ系)やどこかの家紋みたいのや素敵なパターンが色々あって、なかなか面白いです。

 

個人的にはそんな儚く可哀想な感じも相まってさらにそそられますが、景観が殺風景なこの季節はこういう地味で枯れた美しさが惹き立ちますね。

冬の雑草いじらしいので、ちょっと気にしてみてくださいね。

 

さて、アール座読書館はお陰様で丸8年を超え、9歳になろうとしております。

 

やばい…十周年が見えてきた…と言って別に何やるわけでもないんですが、何だかこの季節は毎度、何年目と意識して「ありがたいなぁ〜」とか「おいらも頑張ったなぁ〜」みたいな気持ちに浸るようにしております。

 

2016年も本当に沢山の皆様にお越しいただき、束の間の静かな時間をご一緒させていただきました。

 

皆様の貴重なひと時を分けて頂きましたことと、そのご縁に心より感謝いたします。

 

昨年もご利用いただきまして、誠にありがとうございました。

 

この所はありがたくも、以前よりも沢山のお客様にご利用頂けるようになりまして、ピークタイムにはお待たせしてしまったり、ちょっと静寂が薄れて、わたわたとしてしまうこともありました。

 

うちの場合一番混みやすい時間帯は、大体15時〜17時頃で、休日はお席待ちになってしまうこともあります。

 

今年は休日の15時頃に、そんなわたわたした空気になったりお待たせしたりが少なからずありまして、いかんなと反省しておりましたが、そんなタイミングに居合わせた方はごめんなさいね。

 

ちなみにアイドルタイム(空く時間)は決まって19時前後(食事時)で、休日でも17時頃からお席が空き始め、19時をピークに結構深い静けさが戻ることが多いです。

 

もちろんこの通りでないこともあるのですが、お時間に融通の利く方は参考にしてみて下さいね。

 

来年もどうぞよろしくお願い致します。

 

そしてブログも、もうちょっと頑張りたいな。

昨年は更新、3発でした…

 

最近あまり書けなくなってますが、でも、いつの間にか掲載記事数も何やかんやでトータル138項ですって。

 

開店当初、店の情報をお知らせする場が何もなくて、当時は少し経営に関わっていた僕の妻がせめてブログでも作った方がいいと言い始め(SNSも今ほど充実していないブログ全盛の時代でした)、まるでブロガータイプじゃない僕が渋っていた所、妻が書き始めてくれました。

 

最初は「どうせ一年も経たない内に止まるんだろう」と思っていたのですが、予想に反して、まさかの2回でストップしてしまい、これはさすがに恥ずかしいと、僕が代わって書き始めたのが事の始まりです。

 

最初の頃はカフェブログっぽくイベント等インフォメーション的な話が中心で、何だかキャラも固まってないし、変なことばっか言ってて恥ずかしい部分も多々あるのですが、それでもせっかくなので過去ログのアーカイブ(目次)とか作ってみました。

 

昔はギャラリーやらライブイベントやら、何と「仏像展」まで幅広く手を拡げていたんですね。試行錯誤の日々でした。

 

2年目くらいから書籍のおすすめをするようになり、これに合わせてに段々と自分の考えが入るようになってきて、最初こういうの読まされるのってどうかな…とかも少し考えたんですが、意外とそんなのが反応あったりして、じゃあ書いてしまえ、となってから次第に私的な個人ブログの様相を呈してきます。汗

 

あまり日記とか付けたことがないクチなんですが、文章で気持ちを残しておくと、後からその頃の思いが見られるのはいいですね。

 

「この頃こんなことでアタマいっぱいだったなぁ」とか思い出します。

 

そう言えば、座席のらくがき帳も年々冊数を重ね、もうかなりの数になってますが、近頃はそんな側面も出てきました。

 

これの面白さに引かれて読書やお勉強の予定を狂わされてしまう方が後を絶たない、この「らくがき帳」、もちろん僕もファンの一人で、レスポンスこそしておりませんが、いつも楽しみに拝見しております。

 

以前TVの取材で、全卓のらくがき帳を集めて積み重ねた様子を撮影したことがあった(もちろん内容は出しません)のですが、その時に100冊近くあったので、今はもう超えてるんじゃないかと思います。

 

ご覧になるお客様はご存知かと思いますが、あれの一冊に詰まっている内容の重みってナカナカですよね。

 

小さな冊子の一冊に、数百人分の様々な思いや感情が色濃く語られていますが、それが100冊って…。汗

 

昔よく、都市近郊の電車や高速を走る車の窓から巨大なマンション群が見えたりすると、「長い長い波瀾万丈の人生が、あの窓の数だけあったんだぜ…」と一人つぶやいていたものですが(80年代のハードボイルド小説やドラマでそういう表現よくあったんです)、それに似た感触を、あのらくがき帳からはもっと身近にリアルに感じます。

 

そして、そんな様子を8年も見ていると、さらにまた違う面が見えてきます。

 

まぁこういう場所のああいうモノなので、内容的にその時その時の悩みや苦しみ、喜びや意気込みなんかをお話される内容が多いのですが、最近は「あの頃悩んでたな」とか「気楽だったな」とか、一昔前のご自身を振り返る内容の書き込みもチラホラ見られるようになって来たんですね。

 

考えてみれば、昔高校生の制服着ていらしてたお客さんが、もう大学生活終えて就職されてるご様子だったりするのを垣間見させてもらう位の年月が経ってますので、当然そんな書き込みだってあるワケです。

 

古くからのお客様が、ふとご自身の4年前の筆跡を見つけて記されたような、そんな書き込みに触れると、僕の方でも「この人も色々あったんだなぁ」と何も知らないくせに勝手に共感してしまったり、またそれと同時に一つ思うこともあったりしました。

 

短いタームでは分からなかったのですが、5,6年も経つと大体皆さん、状況だったり心境だったりが大なり小なり変わっているものなんだなぁ、という一つの感慨に至ったんですね。

 

「そりゃ何年も経てば変わるだろう」と言ってしまえば当たり前のことなんですが、でも僕、なんかソレってすごいことだなぁと感じます。

 

心境がちゃんと変わってるって、例え悪化の様相を呈していようとも、色々なことを乗り越えていく生涯を思えば、全て「前進」ですよね。

 

人ってその場では、悩んだり上手くいかない時が不幸せで、調子の良いときが幸せと感じやすいものですが、もっと長いタームで考えると「幸せ」ってそういう波と違う次元でいつも背後にあるもののように感じます。

 

で、心境の変化ってそんな幸せに直接つながっているもののように感じるのですが、僕はこれが単なる環境の変化だけで起きることじゃないように思うんです。

 

外的な変化はきっかけになるだけで、やっぱり心境の変化って、無意識にも体が自力でメンタルを変化させて起こしている気がするんですよね。

 

変化させるというのはつまり、肉体の新陳代謝のように、何かを見聞きして何かを思うことで頭の中の古いものを少しづつ外に出し、代わりに外からちょっとずつ新しいものを入れて、ゆっくりと時間をかけて変えていくような「精神の代謝」をさせているように感じるんです。

 

長年らくがき帳を見ていて、それをますます強く思うようになりました。

 

一見どうにもならないような状況の中でも、絶え間なく精神の代謝が動いてちょびっとずつ何かを回すことでちょびっとずつ心持ちを変えていく。

 

些細な心境の変化はほんの少しだけ現状の捉え方を変え、それがちょびっとだけ状況に取り組む姿勢を変えさせることで、ほんのわずかに現実の状況を変える、という、意識すら出来ない小さな変化が少しづつ少しづつ果てしなく連鎖して、やがてそれが数年経つと、いつの間にか見事に状況を変えている、というような出来事が起きている気がしてなりません。

 

もちろん人はいつだって悩みが尽きないのですが、数年前とは悩みの種が変わっていたり、逆に本人の心構えが変わっていたりというのが普通のことなのって、きっとその結果だと思うんです。

 

そして、辛い時に何気なく吐き出すボヤきのようなもの、例えばアール座のらくがき帳に書かれているような言葉こそ、そんな代謝の「吐き出し」そのものなんじゃないかとも思えてきます。

 

だから、そんなものを書きたくなったり読みたくなったりっていうのは無意識にも正常に内面的な代謝が機能している証拠なんじゃないでしょうか。

 

そんな風に見ていると、例えば現状のどうしようもなく八方塞がりな状況に打ちひしがれたような記述の最後にも「でも今日は久しぶりにいい気分…」とか「さあ明日からまた…」なんて始まるシメの一文が、これから無数の攻撃を繰り返して、やがては高く大きな壁を打ち砕く小さな針の先みたいにキラリと光って見えたりもします。

 

 

それにしても、こちらで何も考えずとも起こる、こういう自律的な生命の機能ってすごいですよね。

 

3階のエセルで育てている植物って、結構アール座の水槽とかからの挿し木で増やしていったものも多いのですが、挿し木って葉が数枚付いた、ただの短い枝切れです。

 

それを土に挿しておくだけで、自力でそこに合わせた育ち方を選んで、根を伸ばし枝を広げ、やがては葉を茂らせて立派な一株の観葉植物に育ってくれたりするんですよね。

 

突然連れてこられた環境条件を見てそれが出来るということは、光が弱ければどう伸びるか、水分が多かったらどんな葉を作るか、育つためにどういう状況でどう持っていくかという無数の知恵やノウハウがあの棒切れの中に全て入っているということですよね。

 

植物のこれに驚かされることは本当に多いです。

 

今どきはこういうことをDNA情報の話で「シンカのカテイでそんなツクリになってるから」と簡潔に片付けてしまいますが、こうやって感情を入れずに解釈しちゃうと随分浅い話になっちゃいますね。

 

本当はもっと、ありがたくて尊いことなんです。

こういう話は全部擬人化して考えないと正確に理解出来ません。

 

動物だろうが植物だろうが、それぞれの種の進化の過程で、ルーツになる無数の祖先達が、みーんな様々な環境の中で何度も何度も困ったり悩んだりしてきたんですよね。

 

巨大マンションの住人の人生や100冊のらくがき帳に記された無数の思いみたいに。

 

そうした星の数ほどの経験と悩み苦しみと思いの蓄積が頑強なビッグデータとなって、今生きる我々の中に脈々と受け継がれているんですよね。

 

だから、ケガしても下から新しい皮膚が上がって来てきれいに傷を消してしまうという手品も、心に動きを作って悩みを消化したり状況を前進させたりという精密なプログラムも、全部意識すらしない自然の流れの中で見事に行われてしまいます。

 

なんか安心しちゃいますね。

しちゃってイイと思います。

完璧で無敵なんです、我々の体って。

 

例の可愛らしいロゼット葉だって、そんな風にして見ると違って見えてくるんですよ。

 

儚く見えるなんて言いましたが、実はそんなのとんでもない話で、あの子らは内部にものすごい力を秘めている生命力の塊みたいなやつなんです。

 

地味なあの形は、本当は宿根草が種まきを終えた後の厳しい環境をやり過ごすために最適なフォルムで、背を低くして冷たい風を避け、葉を極力落として消費を抑えつつ、地面に丸く広げた葉から太陽エネルギーをいっぱいに集めて充電しているんです。

 

全てはやがて来る春に向け、勢い良く花を咲かせ、再び種をまき散らすその時までに必要なエネルギーをひたすら蓄えているんですね。

 

だから人が踏んだって何でもないし、潰れたってちぎれたって平気でまた生えてくる。

 

目立たない姿の中に、たくましい力と意思を内包しつつ爆発するタイミングを虎視眈々と待っているナカナカに太い奴なんです。

 

今、悩み苦しみのさなかにいて動きが鈍くなっているような方は、近所にロゼット葉を見かけたら思いっきり感情移入してみてください。

 

あわよくば感情移入したまま、もう4,5ヵ月見守り続けてください。

 

初夏の頃には、その子が我々に秘められたそんな力を見事に見せてくれます。

 

もちろん、それでも気が滅入る時はありますよね。

 

はい、今年もお待ちしております。

どうぞお好みの形で静寂空間を使ってやって下さいね。

 

 

宅地っぽい空き地のロゼットに感情移入しないように気を付けてね。数ヶ月後に家建っててガーンってなるから。

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