coffee.books...peace & quiet
今年もお世話になりました。 2011

さて、2011年も残す所あと数日です。

今年も本当に沢山の方にご来店頂きました。
ご来店頂いた全ての皆様に、心より御礼申し上げます。

毎年末に同じ感謝の言葉を繰り返すとくどいのですが、結局今年も同じ思いです。

精神的にも経済的にも、皆様のおかげで生きております。

また、今年後半の一時期は土日のピークタイム(15時前後)などに混雑が続いてしまい、ご迷惑をおかけしてしまった期間もありました。

ちょっと珍しいタイプの店なので、雑誌やサイトでの掲載が幾つか重なったりした時期には一時店内が混みあい、若干カフェ寄りの雰囲気になってしまう時がままありますが、でもいつもそれは一過性のものでして、なんだかんだ言っても指向性がマイノリティですので、時期が過ぎると古くからのお客様と同じように感覚の合う少数の新しいお客様だけが残られて、また静かなアール座に戻ってゆくというのがいつものパターンです。

今ではすっかりおさまりましたが、古いお客様には「隠れ家的なアール座が…」と複雑な思いになる方もあったかも知れませんね。

よく「あまり人に教えたくない」「本当に分かる人にだけ教えたい」といったお客様のご意見をお聞きする度にも、僕はとても嬉しく思います。

この店の空気をご理解頂き、大切に思って下さる方ならではのご感想だと思うからです。

僕自身「マニアックなお店」も「全ての人に愛されるお店」も、全く目指してはおりません。

難しい所なのですが、アール座読書館としては、ある種の趣味の人しか入りづらいカフェであってはならないし、気持ちの切り替えや何の引っかかりもなく日常の延長として通り過ぎる普通の喫茶店ではしょうがないとも思っています。

老若男女や趣味を問わず、日常を切ることを必要としている全ての方にとって「最初入りづらいけど、意を決して踏み込んだら自分のための場所だった」というお店でありたいです。

幸いウチの場合はご紹介下さる雑誌やサイトの皆様が店の空気をご理解頂きそれを上手に伝えて下さる方ばかりで、とても助かっております。

指向性の強いお店なので、存続のためにより広い地域の多くの方にその存在を知ってもらう必要もあり、そんな方々には大変な恩恵と感謝も感じております。

「別にこっちは何も言ってないのに、コイツ急に色々言いワケがましくなってどうした?」と思われそうですね。

よく個性的な飲食店が人気が出てからフツーになったと言われるようなケースがありますが、そんな変化をわずかですが感じた時があって、ちょっと色々考えたん時期があったんですね。

こんな小さな店でもポピュラリティがついて来てお客様の層が広がると、ただ欲が出るというのでなく、何だか強力な力でそっち(ポピュラーな飲食店の方 向)に持って行かれる感じがする時があるんです。

マジョリティの威力なのか、それとも経済が持つ力なんでしょうか。

もしかすると人間は群れを作る動物だから、僕のようなひねくれでも、周りに合わせたくなる習性を本能的に持っているということなのかも知れませんね。

まぁ実際ウチなんかはそれ程でもないですが、もっと「今マスコミで話題の…」みたいなレベルになると、きっと独自の路線を行こうとするお店が受ける横風 はかなりスゴいんだろうなぁ、と感じました。

また個人的にも今年は何かにつけて度々ペースが乱れてしまい、私生活でも営業でも不出来なところが多く、振り返るとかなり反省の多い年でした(泣)。

しかし今ではすっかり一時期の混雑は収まりましたし、年を改めるタイミングで気持ちを切り替えてゆくつもりです。

とにかくあのらくがき帳のありがたいお言葉を頂いたからには、何があってもこの方向性と空気感は死守する心持ちですので、古いお客様も新しいお客様も、今後とも今まで同様どうぞよろしくお願い致します。

もちろん絶え間なく通い続けて下さいという話ではないですよ。

時々久しぶりにいらした常連さんが「最近忙しくて、なかなかここに来られなくて…」と、申しワケなさそうに言って下さることもありますが、うちのような
店は疲れた時や何かに迷った時に使われる方も多い場所なので、私生活が充実されていてアール座に行く必要がないという状況ならば、それは何よりなんです。

ふと立ち止まって静かな場所が必要になった時にはアール座読書館がいつでも同じ形でここにあり続けますので、覚えておいて頂けると嬉しいです。


今年日本は不幸な災害に見舞われましたが、東京に住んでいても、それが国民全体の価値観を揺るがすような出来事だったことを感じます。

軽々しく言えることではありませんが、惨劇を超えて人々が社会の実態や足下の生活と幸せに目を向けるような機会に、更にはそれが日本の転機のような形になって行くといいなと思います。

今中国が勢いよく景気を上げておりますが、僕が子供の頃は日本の高度経済成長が成就した位の時期で、日本人はエコノミックアニマルとかワーカホリックとか呼ばれ、世界中から嫌われていました。

時々、もしアール座を高度成長〜バブル期のような時代に開業していたら、果たして相手にしてもらえたろうかと思ったりします。

僕が育って来た「アラフォー」とか呼ばれる世代までの社会では、何においても経済やステイタスが価値の中心になり、人々は快楽と競争にばかり夢中で、身の周りの小さなことや自分が恵まれていることに見向きもしない時代でした。

僕なんかは周囲の人と話や価値観が合うことが基本的になくて、人と考えを理解し合うことをほとんどあきらめていたようなヤツでしたが、僕らより下の世代の人達は、あのアホ騒ぎを冷めた目で見て育ったからでしょうか、こうしたことを理解されている方が比較的多い気がします。

特にアール座のらくがき帳なんか見ると、身近にあるものの美しさ、小さなこと無駄なことの大切さ、自分が幸せを手にしていること、誠実さが人生を好転させることなんかを普通に知っている方が沢山いらして、心が洗われます。

今思えば、昔の自分は本音を出さずに適当に相手に合わせていたから気持ちの合う人に出会えなかったのかなとか、この店は本当の自分で作ったから、そういう人達が来てくれたのかなとか思ったりします。

アール座はもちろん様々な目的にご利用頂いて良い空間ですが、そのコンセプトを考えると「やらなくても良いこと」をして頂くのは個人的にとても嬉しいです。

読書やらくがきや編みもの、折り紙(地球儀の座席にあります)、ただぼーっと魚見たり、ただぼーっとしたりされてる方が店内に多くいらっしゃる時は、なんだかとても安心します。

現代社会を考える時には、社会問題に注目し、憂いと共に批判的に考えないとイケナイような空気が何となくありますが、僕はそんな人々の価値観の変遷を見て、問題点は置いといて、「日本は割とイイ感じになって来てるなぁ」とノンキに感じたりします。

日本全体がこの部屋みたいな空気になれば良いのに、とまで思ってしまいます。

きっと、かくいう私が自身が仕事に追われていたから、そんな気持ちも強くなるのでしょう。

もちろんそんなことのためにはある程度の豊かさが必要なことなので、労働や経済の重要性、高度成長期を支えてくれた人々への感謝も忘れてはいけませんね。

相変わらず僕の妄言は根拠もキリもありませんが、今年は震災や中国バブルを見て、アール座のお客さんを見て、そんなことを考えたりしました。

さて来年はどんな一年になるんでしょうね。

僕は個人的に転機になりそうなので、精力的に行くべきかじっくり進むべきか悩んでいます。

「光陰矢の如し」とか「果報は寝て待て」とか、昔の人達は無責任に色々言うので困りまってしまいますが、どんな形にせよ気持ちを込めた一年にしてゆかなければ、と感じている次第です。

皆様の一年はいかがだったでしょうか?

来年はどんな一年を思い描いておられるのでしょうか?

また来年お店でお会い出来たら嬉しいです。

それでは皆様良いお年を。




news2011 - -
アール座 貸切りについて
<店内貸切り>
イベント、勉強会、朗読会、発表会、撮影等に 。
大掛かりな座席の移動が出来ませんので、ほとんどの座席が前を向く形になります。
店内をご覧になってからご検討下さい。

◎定員1〜20人程度まで。
 ◎大音量不可。音響、投影機材などございません。
 ◎基本的には土曜終日と日曜の19時までは貸切りを行っておりません(応相談)。
 ◎お飲物等持ち込みが出来ます。 ドリンクのオーダーご希望の方はご相談下さい。
   
料金  終了時間19時まで ¥10000/3時間    19時以降 ¥18000/3時間
出来るだけ10日前までにご予約下さい。
その他詳細はアール座読書館までご連絡ください。アール座読書館 03-3312-7941 



ギャラリー・店内貸切について - -
ギャラリー作品募集 について
勝手ながら、諸事情により現在ギャラリー展示の受付は一旦中止しております
今後の再開を検討中ですが、詳細は未定です。
 これからお申し込みをご検討中だった皆様には、誠に申し訳ございません。

なお展示自体は、既にお申し込みを頂いております分が2012年夏ごろまで続きます。
(2012年1月)





ギャラリー・店内貸切について - -
冬ごもりのすすめとギャラリーのお知らせ
この所、外気が急激に冬の匂いになって来ました。

冬の入口は体が寒さに慣れていないせいか、真冬よりも屋内にこもりがちになってしまいますね。
あらゆる生物が息をひそめるこの季節には、アール座読書館も「おこもりスペース」としての雰囲気がぐっと強くなります。

僕自身、冬場は出不精になる分思考が活発になり、やたらと哲学的になったり、どうでもいい事を考えたりしてしまいます。

皆さんはどうなんでしょう。
他の生き物達もそうなんでしょうか。

クマなんかは知能が高いので、穴の中で丸まって冬ごもりしている時には、絶対色々妄想を巡らせていそうですよね。
「あの日捕った鮭は素晴らしかったなぁ」とか「兄弟達は元気かなぁ」と、丸まった冬眠状態のままうつろな意識で思い出したりするのでしょうか。

僕が理想とする冬の過ごし方のお手本が、このクマの冬ごもりのイメージです(勝手な想像上のイメージですが)。

「エサいない時に動き回るより、エネルギーを使わないで丸まっていた方がいいやぁー」というゆるい考え方は非常にムリもなく効率的で、元来怠け者だった僕もとても共感を覚えます。
もちろん我々は冬でも食物が手に入るのですが…やっぱ寒いし…動きたくないし…。

秋口に狩りをしまくり喰いまくってから完全に引きこもるという、ハードなアウトドア派から深いインドア指向への急激なライフスタイルの転換が素敵ですし、絵本に出て来るクマなんかはほら穴に美味しそうなごちそうを貯め込んで、布団敷いてるヤツまでいて憧れてしまいます。

クマやヤマネなど哺乳類の冬眠は疑似冬眠と言って、ヘビやカエルのように白目むいて(イメージ)仮死状態になる本格的なのと違うので、時々目を覚ましてはちょっと外を覗いて「うわ…寒いと思ったら雪積もってる…」みたいなことしてそうで(イメージ)、何かただ寝てるような感じがすごく羨ましいです。

夢とうつつの境目を何ヶ月もさまよい続けるのでしょう。
いいなぁー、疑似冬眠

毎年ニュースで流れる、村の寒中水泳大会で海に駆け込むフンドシ姿の勇ましい男達の映像を見ると「きっとこの村にも自分みたいなへなちょこがいて、参加せずに皆にバカにされているんだ…」と想像してしんみりする僕ですが、そんなへなちょこブログの今月のテーマはズバリ「冬ごもりのススメ」です。

…ってなんだそれ。
もうネタ切れなんでしょうか。
「冬眠とかすすめられても…」という戸惑いもごもっともですが、要はアール座的な正しい冬の過ごし方のご提案です。

では、喫茶店にこもって何をすれば良いのかと言うと、それはもちろんこの1年を振り返るんです。

毎年日本人が秋の終わりからハロウィン、クリスマス、年末、新年とめまぐるしくノリを切り替えてゆくのについてゆけずにぼーっと過ごしてしまう僕も、この「今年1年を振り返る」という恒例の習慣だけは結構やっています。

同じ恒例でも「今年の抱負」なんていうのは、たいがい春先にはすっかり記憶から消えているのであまり意味もありませんが、過ぎたことを思い返すのはその場で意識や感情に影響を与えるので有意義でもあります。

大事なのは、あまりシリアスな問題よりも先のクマのように割とどうでもいい平和なことや嬉しかったことをウトウトと思い返すのがコツです。

今年は日本に深刻な出来事がありましたので難しい所ですが、そういう記憶はウトウトと考えられることではありませんし、ネガティブな感情の復習になってしまう可能性もあるので、ここではどうにかして嬉しい出来事や軽い思い出に持ってゆきましょう。

心理療法ではその日あった良かったことや嬉しかったことを毎晩寝る前に思い返すよう習慣づけて、精神状態をポジティブに持って行くという方法があって、逆に寝床でその日の嫌なことや失敗、後悔について延々と考えてしまうタイプの人なんかにも効果的なようです。

また仏教では生涯を振り返る修行で「内観」というものを行います。
自分の幼い頃からの記憶を一つづつ思い返して、人にして来たことされて来たことを思い出しながら、そうして作られた現在の自分の本当の姿を見つめ直す所まで辿り着く、というような方法で、これも「内観療法」として治療に取り入れられています。

つーっと通り過ぎてきた過去を改めて振り返り、静かに見つめ直し噛み砕くことには、きっと人生をより丁寧にやり直すような意味がある気がします。

まぁオススメしているのはそんな専門的な話ではなくて、ただ時間をゆったりと過ごすための方法なのですが、やはり悪いことをわざわざ思い返すのは体にも良くないので、そんなひと時には、夏の暮れに憧れの人と砂浜で水をかけ合いたわむれた思い出なんかをリプレイしつつ、一人でニヤけたり軽く一人ごちたりする方が良いでしょう。

こういうことを表参道のオープンカフェでやると道ゆく人から白い目で見られてしまいますが、その点アール座なら心配ありません。
皆さんそれぞれの時間を過ごされているので、多少挙動不審な方がいらしてもあまり気にされない空気がありますし、他の座席の方と目線も合いませんし、店主はもちろんお客様もそんな人ばっかりですウソですごめんなさい

こういうことをするには、ウチだとやはり窓際のボックス型のお席がおすすめ。
常連樣方の隠れた人気席である窓際前から3番目とかは周囲を小さく囲まれていて、まさにおこもりスポットNo1でもあります。

子供の頃、押し入れやダンボール箱の中で過ごす時間をこよなく愛していた僕は、この席が人気という事実がとても嬉しいです。ちなみに、この心理は昔の胎内記憶から来るという説があるらしいです。

最近、週末のピークタイム(14時〜16時頃)などは混雑のためお席が選べないことも多く心苦しいのですが、可能な方は遅い時間帯や平日など狙ってみて下さいね。

メニューですと甘みが恋しい冬場は、スパイスキャラメルやスパイスチャイなど定番の甘々ホットドリンク(甘み調整も可)、甘さ控えめならキャラメルミルクティーや八宝茶、ラムとアマレットリキュールを入れたコーヒーアマレット等、体暖まるホットドリンクがおすすめです。

糖分ではなく香りのみで甘さを楽しむには、冬に人気のキャラメルバニラティーもおすすめ。

冬場に甘いものが恋しくなるのも、きっと太古の狩猟生活で獲物の少ない冬場にカロリーを溜め込もうとする体のシステムなのでしょう。

とすると彼らも冬は、けっこう竪穴式住居とかにこもりがちだったんでしょうね。
人間は家族生活ですが、冬の間ずっと顔つき合わせてたのかな。
アレってきっと個室ないですよね。
思春期の子供とか、キツいですね…

などと延々ムダな事も考えてしまいましょう。
冬はそれでいいんです。
暖かい灯りの下で暖かなお飲物をすすりながら過去を振り返ったりムダな考えにふけるために、冬は来るんです。
そしてそんな時間を過ごすためにアール座があるんです。

小さなボックス席と静けさの漂う空間を冬のおこもりタイムにもぜひご利用下さい。

もちろん本当に人間がこもりっきりになると弱ってしまうので、冬の散歩や旅行も楽しみましょうね。

さてギャラリーのお知らせです。
今年ラストの個展はK.Kさんによる写真展です。

写真展「Ballet Mecanique」  K.K
期間:現在展示中 〜 12/25(日)

ファンタジックな少女の世界を切り抜いたポートレート作品展です。
古い洋書の切り抜きのような淡いトーンの作品を、幻想的なプリザーブドフラワーやリースで美しく飾り付けて頂きました。
アール座空間は女性的な感覚の装飾と相性が良いし、僕自身もそうした世界観に憧れがあるのですが、ただ自分ではそういう演出が上手に出来ないので、こんな風に飾り付けて頂けると僕も嬉しいです。
現在展示中で12/25(日)まで。2週目から展示変えがあります。
冬のアール座はガーリーな彩りの中でお楽しみ下さい。




今月のおすすめ - -
座禅とアール座の番人の話 
こんにちは。
やっと暑さが引いたと思ったら、急激に涼しくなってきましたね。

近頃の日本の気候では10月に入ってやっと夏が終わる感じなので、秋好きな僕は毎年お預けを食らっているような気分ですが、この季節は散歩や読書はもちろん、アール座にとってもベストシーズンと言って良いでしょう。

静かな時間を過ごすことや生活を見直すことにはうってつけの季節ですよね。
また、虫達の歌声も終わり空調もほとんど使わない今頃は、一年の中でもアール座が特に静けさを発揮(?)するシーズンでもあります。

こんな時期に、ちょっとオススメしてみたくなったのが「瞑想」です。

昔はよく、お寺でやってる一般参加の座禅会やヨガ教室の体験クラスなんかをハシゴしたりしました。
店を始めてからはお客さんがいない時に座席でやったりもしますが、お客さんに見つかったらとても怪しいマスターですね。

「瞑想」というとよくイメージされるのは、禅寺で座禅を組んで、気の緩んだヒトが和尚さんに「カーツ!」とかいって棒きれで肩をひっぱたかれてる厳しそうなヤツじゃないでしょうか。

近頃はヨガなんかで健康法のようにも親しまれていますが、こちらはむしろ気を緩めるようなイメージですね。
ただ、実際にやってみると、むしろ「気を鎮める」という表現が近い気がします。

瞑想を一口に言ってしまえば「何も考えないこと」です。
様々なタイプの瞑想法がありますが、雑に言うと基本的には座禅を組んで目を閉じて(もしくは半眼で)ゆっくりと深い呼吸をしながら考え事をやめ、浮かんで来る雑念を次々に消して行って、頭が真っ白な状態でいることを目指します。

何だそれだけのことか、と思いきや、これがなかなかカンタンじゃないんです。

僕などは妄想は大得意なのですが、瞑想はヘタッピな方じゃないかと思います。
思考を止めようとするそばから次々に色々な考えが浮かんでキリがありません。

禅の瞑想法に「数息観」というのがありまして、頭の中で「ひとーつ…ふたーつ…」とゆっくり数を数えながら瞑想を続け、少しでも雑念が浮かんだら1に戻って数え直し(そのまま数え続ける方法もあります)、10まで行ったらまた1から数え始める、というのをひたすら続ける方法なのですが、僕がこれをやると3まで辿り着けません(3まで行くと必ず「あ、3いけた!」って思っちゃいます)。

まぁ本当はいきなりこういう方法をクソ真面目にやらなくても、初心者は浮かんで来る邪念をボーッと見流してるだけでも良いそうです。
「邪念が浮かんでるなぁ」とか「雨の音が聞こえてる」とかを静かに意識出来るだけでも、普段と違う脳の働きをしているというのですが、確かにやってみるとそんな実感があります。

ではなぜそんなことをやるのかと聞かれれば色々な答えがありますが、僕なら先ず第一にとても気持ちがいいからと言ってしまいます。
ウマく出来ないながらもこれをしばらく続けたあとはアタマの中がスッキリと片付いて、非常に爽快な気分を得られるんです。
いつもごちゃごちゃに散らかった部屋を掃除してスッキリと整頓された後の感じに似ています。

仏教では純粋に直感的な悟りを獲得するための修行としてこれをしますが、現代人には精神的な健康法として有効なのは間違いないでしょう。

通勤電車の中ででも出来ますし、続けていると、日常的にも気持ちが安定して来たり、感覚豊かで意識もクリアになったり、思考と身体の一致が良くなったりなど、広く精神面で効用があるようです。

そしてこれは何よりも「思考を止めて日常を忘れ、感覚を開いて静かな時間を過ごすこと」(瞑想とは少し違いますが)をおすすめするアール座読書館のコンセプトともかなり重なる部分がある所なので、静かな秋にはいいんでないかとおすすめしてみました。

ただアール座には、控えめですがBGMが流れるのが難かもですが、瞑想がウマく行くと音楽などは消えてしまいますので、あまり気にせずやってみて下さい。

本を読む前に5分程やってみるだけでも、感受性がアップして読書の質が良くなりますよ。

お店には瞑想関連の書籍というものがあまり多くはありませんが、比較的近いジャンルのものをおすすめコーナーに置いておきます。

もしお座席で半目になってぼーっとしている方を見かけても、怪しまずに「あ、瞑想してるんだ」と温かく見守って上げて下さいね。

さて、これで終わるとまだちょっと短い感じですね、月イチブログとしては。

無駄話をもう一つしときましょう。
いつの頃からか店内中央の3本柱の一番後ろの柱の上に居ついて、店内を見下ろしている変な奴のお話です。

カモシカのような頭をした体長30cm程の大変怪しげな男で、普段は彫像のフリをしていますが開店前や閉店後の作業などしていると、突然ノビをしたりふいに話し掛けて来たりします。

顔こそ草食系ですが性格はかなりS寄りで、開店の掃除をしていると「こんな店いつまで続くと思ってんだ?」とか「段々仕事が雑になって来るな」とか皮肉を言ったり、閉店作業の最中に「あの客、お前の接客どう思ったろうな…」などとその日僕が気にしていることを蒸し返してきたりします。

そんな憎まれ口がほとんどで、あまり自分の事を話そうとはしないのですが、時々聞く身の上話によると、どうやら元は古い時代の兵士だった様です。
名はアルベルト・フォン・クライン。位は子爵で、ここに来る前にはファンタージェンという空想の世界で国王を魔物から守る近衛隊長の様な職についていましたが、大臣達とウマが合わずに「めんどくせぇ」と辞めてしまったそうです。

勝ち気な性格でナワバリ意識が強く、どうもこの店に入って来る気に入らない邪気を追い払ってくれているみたいで、はからずも店の魔除けの役割もしてくれているようです。

もともとウチの店内はご近所の長仙寺仁王門の鬼瓦さんが目を光らせる視界に入っていることもあって、そう簡単に悪いものは入って来れないのですが、ただ多少魔の血統が入っていそうな彼自身もこの鬼さんのことは少し警戒して、何となくバツが悪そうに目線をそらしているようですが…。

「こっから色んな人間を眺めてるのは割と飽きねぇ」と、柱に同化して毎日人間ウォッチングにふける無礼な彼ですが、なんせ邪気が嫌いな性質なので「最近何だかツイてない」というような方は彼のそばのお席に座ってみるのもいいかもです。
もし何か悪いモノがついてたら「何だお前」「お前こそなんだ」と勝手に喧嘩して、悪い気をぶった切ってくれるかも知れませんよ。




アール座にまつわるエピソード - -
10月の貸切りのお知らせ
誠に勝手ながら、貸切り使用のため
10月26日(水)は午後3時開店
となります。

申し訳ありませんがよろしくお願い致します。




今月の営業案内 - -
秋の虫の音楽会2011とギャラリーのお知らせ
こんにちは。

次第に暑さも和らいで、ヒグラシの鳴く寂しげな夏の終わりです。
先日まで(初夏から夏にかけて)店内で元気よく鳴いていた去年のJr.の鈴虫達ですが、みな交尾を終え…無事全滅しました。

世間の鈴虫たちと比べると、卵のふ化から全てのタイミングが少し早くなってしまいたみたいですね( ̄_ ̄ i)

室内飼育で季節感がズレてしまったことが大きいのですが、実は彼らには悲しい性(さが)もあって、美しい歌声に引かれて無事にカップルが成立し後尾を終えた後には、そのままメスがオスを補食してしまうんですね。

カマキリのそんな話が有名ですが、きっとそれと同じ様に産卵前のメスがスペシャルな栄養素を取り込むということなのでしょう。

なので鈴虫飼育では、普通タイミングを見てオスとメスを分けたりするのですが、僕はそれよりも来年に向けて元気な卵を産んで欲しいので、オス達には自然の摂理に任せて潔く食われてもらうという方針(つまり分けない)で毎年行かせて頂いております。

結果、8月の後半に鳴き声は止んでしまい、ケースを開けるとメスばかりがワラワラと歩き回っているような状態でした。
何とも勇ましい肉食系女子達です。

オスの最期の一匹とか、普通ならハーレムと言える状態なんですが、彼らの場合はどんな心境になるんでしょうね。
せめて「自分の最期はどの娘に食われよう」という位の選択権はあるんでしょうか。
そんな状態でも、必死に鳴いてメスを呼ぶのだからこちらもスゴい男気です。
命がけの恋ですね。

まぁ全て僕が仕向けたようなもんですが、また来年に向けて丈夫な卵を産んでくれていればと願っております。

そんな訳で、Jr.スズムシ達は結局当初の予想通り例年の「虫の声イベント」シーズンにまではもたなかったので、スズムシ第2陣を新たに仕入れました。

同時におなじみのマツムシ、エンマコオロギも入荷しましたが、今年はそれに加えてさらにカンタンやカネタタキといった種類の虫も加えた豪華バージョンでいこうともくろんでいます。

今(9/9)もうすでに、夜の店内は数種類の虫の声に包まれています。
僕などはかなり幸せな気持ちになりますが、それにしたって秋の虫の声程気持ちを和ませてくれる音色が他にあるでしょうか。

もちろん、沢のせせらぎ、木々の葉擦れの音、森林の雨音など自然界の音には人の心を落ち着かせてくれるものが多くありますが、鑑賞に値する癒しの音色という意味で秋の虫の声に勝るモノはないでしょう。
また、一年の内のほんのひと時しか聞けない、という所もそれに価値を加えていますね。

秋が大好きな僕には、一年の季節の流れを最も実感させてくれるのが晩夏から秋にかけての時節の様に思えます。

その時自分の人生にどんなことが起こっていようとも、それとは全く関わりなく夜空が回り季節が巡ってゆくことは、何だか寂しいような無常観と心安らぐ不思議な安堵感を与えてくれますが、これをより強く感じさせてくれる秋を演出してくれるのが、儚くも優しい虫の声です。

日常を離れ心を休める絶好の季節である秋は、元々それを目的に作られたアール座読書館にとってもベストシーズンと言って良さそうですが、これを色付けるために毎年行っている「虫の声イベント」なんですね。

ちなみに虫の声は、日本ではきっと有史以前から人々の心を和ませて来た秋の風物詩ですが、実はこれを楽しめる(右脳で聞ける)のは日本人と中国人だけで、他の地域の人はあの美しいコオロギの鳴き声もノイズと感じてしまう(左脳で聞く)のだそうです。
感性の違いなのでしょうか、とにかく日本人独特の文化なんですね。

さて、今年で4回目となる「アール座 秋の音楽会」(今名付けた!)にて、素敵な音色を奏でてくれる楽団の小さなミュージシャン達をご紹介しましょう。

言わずもがなのスズムシは、やはり音色が絶品ですね。
誰もが知っている「リイィィィン…」という音色は単体ではもちろん、こうして多くの音色を同時に合わせる時にも、まとめ役として全体を美しく繋いでくれます。

マツムシは、一瞬小鳥かと思うような大きな声で鋭く「ピンッ ピリリッ」と鳴きます。毎年、この子達が断然目立ちますね。
アンサンブル全体を引き締め、緊張感を与えてくれます。

コオロギで最も美しい声と言われるエンマコオロギが発する、見た目に似合わぬ大変柔らかい「ヒョロロロ〜」という声は、僕の大好きな声です。
彼らとスズムシの二重奏が、このオーケストラの骨格になります。
特に今年のコオロギ達は非常に元気が良く、いつもより張りがあるし、数も多いのでサラウンドに配置してみました。

そして今年の目玉は、鳴く虫の女王とも呼ばれるカンタンという虫でしょうか。
虫達はそれぞれに声量が違うので、ケースの置き位置や防音措置などでそれを同レベルにそろえるのですが、今年はこのカンタンの儚げな声をフロントに配置出来たらとも考えています。
「リューリュー…」と、「幽玄を感じさせる音色」とまで言われる侘びの効いた繊細な声をお楽しみ下さい。

また小刻みな声で「キンッ キンッ」とアクセントを加えてくれるカネタタキは、毎年いらして頂いているお客様がご自宅の近所でわざわざ採集して持って来て頂いた、これも今年初登場のありがたい参加者です。
とても神経質な子達で、ずっと鳴き続けてる訳ではありませんが、ノッて来るととてもいい感じで鋭く音を刻んできます。

いずれにせよ今年は種類も多く、音量の調整も悩まされそうですが、きっと素敵な音楽を奏でてくれると思います。
そして彼らが特にノリの良い時間は、例のごとくBGMを切ってしまいます。

ちなみに、彼らが最も力強い音色で夢のような幻想的な音楽を奏でている時間帯は、悲しいかな照明の消えた閉店後なんです。
まぁ、自然の美しさですから人間が都合良く所有出来ないのは当たり前ですね。

皆がフルパワーで演奏出来るのはおそらく9月いっぱい位でしょうか。
やはり日暮れ以降の遅い時間の方が鳴き声は盛んで、日が進むにつれオスが食われて、音の厚みは少しづつ減って行きます(何というオーケストラ…)。

各お座席にはいつも通り、手作りの「虫の声鑑賞ガイドブック」を置いておきます。
種類ごとの解説や、秋の虫に関する日本の古い風習などまとめてありますので、興味のある方はこちらもご覧下さい。

これだけ美しい声の種だけを集めて一緒に聞ける機会というのは、自然環境でもかなり難しいでしょう。
ぜひお茶を飲みながら、ゆっくりと耳を傾けて様々に思いを巡らせて頂けたらと思います。

さて、9月のギャラリーのお知らせです。
秋の展示は彫刻家の春山恵美さんです。

春山恵美 個展
9月13日(火)〜25日(日)  

作家さんブログ→http://d.hatena.ne.jp/haru19870421/

アール座の展示スペースギリギリの大型オブジェやエッチングなど実にインパクトのある作品群は毒々しくも哲学的で、胎児のようで樹木のようで妖怪のようで女体のようで…何というか不思議な生命感の溢れる作品展です。

環境にも人体にも有害とされるFRPをメイン素材に制作された有機的で無機質な物体(生命体?)が、環境と生命の謎にダイナミックに迫ります。
何とも説明しづらいので、とにかくご覧下さい(笑)。
※ご観覧の方にはドリンクのご注文を頂く形になります。

カンタン



news2011 - -
書籍掲載情報の誤りのお知らせ
「高円寺カフェ」掲載情報誤りのお知らせ

この度、先日発行された「高円寺カフェ」(グラフィス出版)というカフェ本で当店をご紹介頂いたのですが、掲載ページ、店舗情報の住所、電話番号、営業時間、定休日、メニュー他に誤りがありました。

こちらをご覧になった方は、下記の正確な情報をご参照頂きますよう、お願い申し上げます。

アール座読書館 店舗情報

杉並区高円寺南3-57-6 2F
TEL.03-3312-7941
月曜定休(月曜祝日は翌火曜休)
営業時間 平日 13:30〜 
    土日祝 12:00〜22:30(LO22:00) 

店内は静かな読書室となっておりますため、お話が出来ません。
ドリンク類は550円〜650円程度で、アルコールメニューはございません。
お座席は全席禁煙ですが、部屋の隅に簡易的な喫煙用換気扇(周囲が開いている時のみ使用可)がございます。

以上です。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
どうぞお間違いのないよう、よろしくお願い致します。

 店主



今月の営業案内 - -
夏、妖怪と日本の自然
こんにちは。

今お盆ですが、これから暑くなるんでしょうか。
いつもここで書く時候の話がそれ以降の天気とことごとく外れるので、何かもう、思い切ったことが書けません。

別の話をしましょう。
いま、店内の窓際前から2番目と3番目のお席に座って窓の外を見やると、プランターから黄緑色の蔓植物が縦横に蔓草を伸ばし、その先に白い小さな花と風船みたいな中空の実をつけている様子が目に入ります。

ホオズキにも似ていますが、もっと小振りの可愛らしいこの植物は「風船葛」といって、この春先に種を植えたものです。
これと言って目立つ所もない地味な子なので気にしないと見過ごしてしまいますが、ぜひ気にして見てやって下さい。
風船のような実も小さな花も、くるりと巻いた蔓の先も、よく見ると本当にかわいらしいやつです。

そしてさらに、夏が終わりこの袋が破けると、中からは小さなハートのマークが刻印された種が出てきてびっくりします。
どんなの?と思う方のために、その2番目3番目のお席の引出しのどこかに入れておきましょう(今年も植える予定なので水に濡らさないでね)。

さて、夏真っ盛りですね。

冷たい飲み物と稲川淳二が恋しくなってくる季節ですが、昔から日本で怪談といえば夏、というのはどうしてなんでしょうね。
体がヒンヤリして納涼の効果があるから、といような話は何だかこじつけっぽいですよね。
霊達が行き来する「お盆」があるからということもあるでしょう。

でも、日本の夏が妖怪シーズン(?)ということも無関係ではないでしょう。

実際、妖怪と言えばなぜか夏のイメージですよね。
確かに映画のトトロに出て来たような、あの森の濃厚でうっそうとした異様な雰囲気って日本では夏場に特有のものだし、そんな季節にはきっと精霊だの妖怪だのの自然霊も動植物と同じように活発になる気もします。

ということで、何だかこじつけっぽいですが日本の夏は妖怪のシーズンということに決まりました。
8月末にはお店が夏休みを頂いてしまう(スミマセン)ので、すぐに9月になってしまいますが、夏の後半に向けて妖怪本をオススメして見ようと思います。

さて皆さん、いると思いますか?
今、霊を信じるかと聞かれて肯定する人はおそらく過半数を軽く超えるでしょうが、妖怪となるとどうでしょうね。

人の魂由来のいわゆる幽霊に比べ、動物や自然霊のようなモノの擬人化であるキャラっぽい姿は、何だか見た目にもコミカルだし、科学がなかった時代の人々の迷信というニュアンスが強いですよね。

僕なんかはその手の話を大抵何でも信じてしまう方で、人の噂話や詐欺の臭いがなければ、かなりうさん臭い話でも大抵は鵜呑みにするようにしています。

小人を見た知人の話や大きな竜が空を横切っていくのを見たというおばあちゃんの話はもちろん、子供の頃自宅の裏山で体長2mの巨大アリを見た、と言って皆にバカにされていた西村知美の話も、きっと真実だろうと思っています。

宇宙人にさらわれた人の話だって、「宇宙人誘拐は一種の睡眠障害で自己催眠の様なもの」という説明だって、それぞれに、それはそれで信じてしまうので、何だか信念と言うものがないようですが、唯一嫌いなのは「そうに決まっている」「そんなことあるはずがない」と決めつけることで、この姿勢は何の得もないばかりか生活を味気なくするので極力避けるようにしています。

だから僕は、妖怪なんて余裕で現存生物(?)に数えています。
でも、昔の人々って普通の生活がそんな魅力(恐怖)に囲まれて生きていたんでしょうね。

科学的常識が圧倒的な信憑性を得ている現代社会と違い、神様やもののけなど、沢山の得体の知れない何かに囲まれての暮らしでは、きっと自然の中に置ける人間の位置を現代よりも正確に捉えられていたのでしょう。

霊体験の話は成仏出来ない霊魂の恨みつらみから発したネガティブな話が多いですが、比べて妖怪の怪談は万物の霊長とか言ってる人間が自然物にコケにされるシニカルな話が多くて面白いですね。

特に我が国特有の、狐や狸が人を化かす話には本当にとんちの利いた素敵な話が多いです。

また、個々のキャラクター性においての面白さも、日本の妖怪は群を抜いている気がします。
皆容姿、性質共々に独特で素晴らしい個性を持っていますよね。

柿の実を取らずにおいた柿の木は重みで枝がしなってだるくなり、やがては「たんころりん」という名の大入道になって村をさまよい歩く様になる、という何とも味わい深い話なんて日本人ならではの想像力です。

他にも「マクラガエシ」というヤツは寝ている間に枕をひっくり返すというどうでもいいことをする妖怪ですが、こういうのが魅力的ですよね。

僕は個人的に「油スマシ」というのが好きで、何の取り柄も必殺技もないヤツなのですが、そのいかにも妖怪然とした風貌が愛らしく、子供の頃、流行っていたガンプラには目もくれずにこれのプラモデルを夢中で作ったりしました。

独自の塗装を施し、戸棚の中にその背景となる田舎道のセットを作り、戸を開けると薄暗い空間に点滅球がチカチカと光って、その姿を闇の中に断続的に浮かび上がらせるという、自分で言いますが素晴らしい出来映えのセットを作り上げ、部屋の灯りを消して一人ニヤつきながらこれを眺め続ける小学生でした(今と何一つ変わっていません)。

アール座にはいるんでしょうかね。
室内中央の地球儀が置いてあるお席の前方にぐにっと生えている木は、かの有名な絞め殺し植物「ガジュマル」ですが、沖縄ではこの樹にはキジムナーなる妖怪が住んでいると言います。
本当はもっと大きな古木に住み着く赤髪のカッパみたいなヤツらしいのですが、見かけた方は教えて下さいね。

キジムナーはカッパの一族らしいですが、妖怪の代表格である河童や天狗の一族は、土地ごとにそれぞれの呼び名とエピソードで語り継がれているようで、河童ならキジムナーの他にも奄美から北海道に至るまで、ガラッパ、カワタロウ、カワンタロウ、ガータロ、ケンムン、シバテン、カワザル、スイコ、クセンボウ、ミンツチなどなど、性格も友好的だったり恐ろしかったりと、バリエーションにとんでいます。

でも同じような幻獣が違う呼び名でそれだけ広範囲に認識されていた、というのがスゴいことですよね。
やはり、全土に生息していたんでしょうね。

そういえば西洋にはゴーストはいても、へんてこな自然の妖怪みたいのはいるんでしょうかね。
アジアやアフリカにはそれっぽい話を聞きますが、ヨーロッパで有名なモンスターと言えば小説がオリジナルの都会的な連中か、後は神話時代にまで遡ってしまう大型の怪物みたいなイメージですよね。

北欧やスコットランドなど山岳、森林地域の妖精みたいなのが出て来る民間伝承は妖怪に比較的近いでしょうか。
やはり性格もイタズラっぽかったり、害の少なそうな所が似ています。
アール座の数少ないお茶請けの一つ「ブラウニー」の名は、スコットランド伝承の小人らしいですよ。

ヨーロッパの都会では中世には既に科学が力を持っていたということや、彼らのもともとの合理主義的な気質と合わないということもあったのでしょうが、やはりその暮らしと自然が切り離されていることが関係しているでしょう。

普通、自然と深く関わって暮らす民族は何かしらのアニミズム的な信仰を持っているものですが、日本もついこの前まではそんな地域の一つでしたね。
神道やアイヌ、琉球の信仰は、いずれも豊かな日本の自然に育まれたからこその思想で、そうした大きな信仰から派生的に起こる土地土地の民間信仰には特に精霊やもののけのようなのが沢山登場します。
妖怪たちの伝承は古い自然が色濃く残る土地と人間の関係に付随して生じやすいのでしょうね。

霊感のない僕は妖怪も幽霊も見たことはありませんが、昔一度だけそんな空気をたっぷり味わったことがあります。

学生の頃僕は放浪癖があって、知らない土地をうろつくのが好きでしたが、ある夏、紀伊半島にある日本屈指の歴史を持つ修験道「熊野古道」の中辺路と呼ばれる山道を制覇しようと訪れました。

ほぼ半島の先端を横切るくらいの距離の山道で、その日の内に制覇するのは無理そうでしたが、テントを持っていたので日が暮れたら山中で野営(ホントはやっちゃダメ)でもするかと、軽く考えていました。
当時は、熊野が神々の住む霊山でとても神聖な場所だという意識もあまりありませんでした。

キャンプ場でもない山の中で一人夜を越す(ホントはダメ)のは結構恐いのですが、恐怖感のネジが足りなかったのか、僕はその頃特にそういう所が鈍くて、山中のビバークも平気でよくやってました。

所がその山はいつもと違っていて、日が暮れてくるにつれて、それまでに感じたことのない異様な恐ろしさが漂い始めました。
大体山も田舎も、清らかな空気で昼間には気持ちがイイくらいの所程、夜になると寂しく恐い感じになるものなのですが、ここのはそんなのと次元が違っていました。
稲川氏が言う所の「やだなやだなー」って感じの空気の強烈なやつと言えばいいでしょうか。

闇が増すにつれて体が感じる意味不明の恐怖はどんどん濃くなり、次第にワケも分からず本当に身の毛がよだち始め、鼓動は激しくなり「これはヤバい」「とにかく早く抜けないとシャレにならない」という尋常じゃない切迫感に包まれていきました。

「いやいや、今さらこんな山の中で焦ってもしょうがない、どこかに場所を見つけてテントを貼ろう」と気持ちを落ち着かせようとした矢先に、山の上からドッドドドッと地響きのような足音が近づき、暗闇でフリーズしている僕の鼻先を、巨大な獣(多分鹿)の黒い体が横切ってふもとの方に走り抜けて行きました。

アニメの昔話で鬼に出くわした村人が「あれぇー」とか言いながら、死にものぐるいで両手両足をバラバラに動かすアホ丸出しのオモロい走り方をしますが、あんなのはマンガだけです…と思っていたのですが、その時の僕も気がつくとその動きで走ってましたね。

鹿か何かだと頭では分かっていましたが、体がいうことを聞かず、どこへ向かうためでもなくただビックリして足が回るだけ、という全く意味のない逃走というものを実行したのは後にも先にもあれだけです。

結局その後は息が切れ、地べたに座り込みながらも懐中電灯と地図を出し、少し先に山道と並走する国道との接点を見つけ、何とかそこまでたどり着くも、地図では接している様に見えた国道のガードレールが遥か高い崖の上に見え、必死の思いでロッククライミングをして国道まで這い上がり、通りかかった地元の車をヒッチハイクして町まで連れて行ってもらうと言う、かなりダメな旅行者をやってしまいました。

車に載せてくれた人が話してくれたのは「この山で夜を明かしたりしちゃダメだ。ここらは普通の山ではないから。地元の林業の者でも絶対に夜は森に入らない。夜この山に泊まってアタマおかしくなったもんの話とか怖い話が昔からいっぱいあるよ」というような内容のものでした。

それを聞くまでは、何だか神聖な森に「出て行け」と拒まれたような気持ちでいましたが、今思えば、森の危険を僕の体が察知して走らせたのかなとも思えてきます。

長い上に恥さらしな話で何を言いたかったかと言うと、その時森が僕に向けた(にせよ、こちらが感じ取ったにせよ)あの身の毛もよだつ感覚が、まさに自然霊そのものだったんだと思います。

僕は霊感がないので、それを映像として捉えることが出来なかっただけで、きっとあれが昔の人々が体験した妖怪の感覚そのものだったのでしょう(熊野は有名な天狗の山でもあったんです)。

幽霊の怪談聞いた時みたいに、冷や〜っとする感じじゃないんです。
何というか、怪物ににらまれているみたいな動物的な恐怖感です。
いやぁ、本物の妖怪はコミカルなんてもんじゃないんですね(汗)。

そしてあそこまで強烈でないなら、あの同じ感覚は高尾山にだってありますし都心の緑地にはないのが分かります。

沖縄県には「御獄」(うたき、おん)と呼ばれる琉球式の神社が各地に点在しているのですが、ある時訪れた竹富島の古いそれは、村はずれの一角が突然深い森の様になっていて、その周囲も木々が茂っているにも関わらず、そこだけ異様に緑が濃く様々な野鳥の鳴き声が集まっている不思議な所でした。

鳥居をくぐって奥に進むほど、何だか違う世界につながっていそうな、簡単に踏み込んではいけないような感じの異様な気が漂っていて「うわわ…」となりました。
昔これに似た所あったなぁと思ったのですが、それが熊野で感じたのと同じ種類のあの空気でした。

僕には区別がつかないので、何だか神様も妖怪もごちゃ混ぜの話になっていますが、とにかく普通に目に見えるものが持つ空気と違うんです。
そしてそんな体験は大抵いつも夏でした。

はい、ウマくこじつけられた所で、この夏後半は店のおすすめコーナーには妖怪関係書籍を並べておきますね。

以下蔵書から抜粋してのご紹介です。

遠野物語 妖怪談義 /柳田國男
いわずと知れた妖怪本のバイブルですね。
このジャンルをはじめて学術的に研究した柳田ですが、あくまで調査報告として淡々と綴られるそれらの話にはドキュメンタリーのタッチがあり、かえって非常に引き込まれます。
僕の好きな狐や狸の化かし話も、各地に伝わる質の良い伝承が多数紹介されていて嬉しいです。

日本民俗学全集 民間信仰、妖怪編 / 藤沢衛邦
民俗学の研究者である著者は有名な人ではないと思うのですが、その道では名の知れた人物なのでしょうか。
そう思わせる内容の濃さがあります。
見た目もタイトルも昔の地味な学術書の体をしてはいるのですが、内容はかなり濃いめのサブカル雑学本といった所です。

いわゆるマニアの人がその専門の話を始めると話題があちこちに飛び火しつつも話が止まらない、というあの迫力があり、書名と照らし合わせても、「その話いる?」と思える飛び火エピソードがふんだんに盛り込まれていてかなりの読み応えがあります。
このジャンルに興味のある方は必見でしょう。

水木しげるの妖怪事典 他/ 水木しげる 
現代で妖怪のスペシャリストと言えばこの人ですよね。
前にこの人の書いた妖怪図鑑を店に仕入れようとして、アマゾンで「水木しげる 妖怪」と入れて検索したら、あまりにも大量の著作がヒットして、探す気にならずあきらめたことがありますが、まさに第一人者と言って良いでしょう。

この人の妖怪本にはピンキリがあるというのが通説のようですが(あれだけあればそうでしょう)、何といっても素晴らしいのは挿絵ですよね。
緻密に書き込まれたタッチの中に怪しさ、面白さ、恐ろしさ、愛らしさが見事に調和した、モチーフをよく知る(見たことがある)描き手ならではのリアルな迫力があります。

日本妖怪大図鑑
妖怪図鑑は数ありますが、どうしたって図版はまぁイラストの想像図ですよね。
当たり前のようですが、そんな中で「実写の妖怪図鑑が見たい」と言う無茶な願望を満たしてくれる希有な本がこれです。
非常に出来が良いし、妖怪の代表格を上手に網羅してあります。
実は映画が元になった企画本ですが、古本屋で見て即買いでした。
監修の水木、荒俣、京極氏らも妖怪の姿で登場。

陰陽師 シリーズ /夢枕獏
ご存知、人気のベストセラーシリーズですね。
まぁ読み物なので、小気味よい流暢な文体とカッコいいストーリーで気軽に楽しめます。
ただ、全編を通して語られる「呪」というテーマについてのやりとりは思想的でなかなか深いです。

ほとんどが読みやすい本ばかりですので、奥深い日本妖怪の世界に軽く触れてみるには良いと思います。

あらかじめ妖怪の知識があれば、もしも自分の部屋の片隅に見たこともない小さな人が座っていた時に、塩を撒いて追い払うべき奴なのか、話しかけて友達になっても良いのか、その場で判断がつきますよ。



フウセンカズラ



今月のおすすめ - -
節電、鈴虫、ギャラリーのお知らせ
こんにちは!
前回のブログでは梅雨入りに合わせて雨の日のアール座をおすすめした途端に、雨がパタリと止まってしまってびっくりでした。
「少しづつ梅雨の空気が濃くなって…」などと小粋な書き出しをしただけに、店主の恥ずかしさもひとしおです。

うってかわって、今度は梅雨らしからぬ猛暑日が続いていますね。

何だか夏が来る度に暑さがキツくなってく気がして、毎年のことながら気候の変動に体がついていきません。
これから夏場にかけては更なる猛暑日が続くと見込まれている上に、今年は「節電」という課題も課せられているので、少々の覚悟がいるのかも知れませんね。

取り敢えずこの場を借りて、節電に関してのご説明とお詫びを申し上げます。

先ずは、こんな事態の昨今ですが、お代を頂いてひと時を過ごして頂く飲食店としましては、夏場はどうしてもエアコンに頼らざるをえない状況が出て来てしまいますことを、どうかご容赦頂ければと思います。
一般のご家庭でクーラーを極力使わずに頑張っている方には、頭も上がりません。

また一方では、こうした事態の中ではエアコンの使用も最低限に限られてしまうため、これからの夏、特に平日の猛暑日や電力使用のピークタイムなどには最も快適な室温には至らない時間帯もあるかも知れません。
こちらもご利用の方には、何卒ご容赦頂けたらと思います。

例年ですと夏場はエアコン2台をフル稼働させるのですが、今年は様子を見つつ極力一台で、設定は出来るだけ27〜29度(実際の室温ではありません)位で行けないかと、今の所は考えております。

尚、床に置いてある扇風機はいつでもご自由にスイッチを入れてお使い下さい。
周囲にお客様がいらっしゃる時は首振り設定にさせて下さいね。
また、風が寒い方もお申し出下さい。

夏場熱を持ってしまう照明電球のワット数を下げてありますので、店内は少々暗めになっています。
照明を切ってあるお席もありますが、こちらはご利用の方がいらっしゃれば点灯させますので、遠慮なくお座り下さい。

すみませんが、エアコンがついている時は窓を閉めておいて下さい(ついていない時の開閉はご自由にどうぞ)。

あと、お水のおかわりはいつでも言って下さいね。
あまり店主が客席をうろつくべき店ではないと思い、基本的にウチではこちらからのウォーターサービスを行っていないのですが、お水が欲しい方は我慢せずにお声をかけて下さいね。

色々と不自由をおかけしてスミマセン。m(_ _)m

もちろん居づらい程暑くなることはありませんが、少しでもお役に立つかと思い、今度試しにお手洗いに市販の制汗スプレーを置いてみようと思っています。
胸元にシュッとやるとヒンヤリ感じるアレです。

使い切るペースがあまりに早かったりすると置き続けるのは難しいかもですが、意外に体感温度を下げてくれるので、置いてある時は試しに使ってみてね。

元々アール座では、昔よくあった飲食店のクーラーをフル稼働してキンキンに冷やすやり方をあまりせずに来ました。
ヒンヤリする程の不自然な冷気を提供するのはあまり好きじゃないんです。
町を暑くするし、体に良いワケないし、回転上げ作戦(入った時気持ち良くて長く居ると冷える)だし。

でも「やっぱり入った時気持ちイイ方がイイ!」という方はどうかご容赦下さいね。

所で最近は、店の向かいの建物が取り壊されたため(騒音によるご迷惑をおかけしました)、北西部分がとても風が通る様になり、さらに向こう側がお寺さんの敷地なためか、何だか気の通りまで良くなった気がします。

この後あの場所はお寺への通用口になるそうなので、きれいなお庭の緑がずっと見えているのでしょうか。
だといいなぁ。
もう少し涼しい季節になったら窓を開けて風を入れようと思っております。


さて、今年もそろそろ店の鈴虫が鳴き始めています…て、ちょっと早いですよね。

例年は虫の声を晩夏〜秋のイベントにしようと、8月末に成虫を仕入れていたのですが、毎年のことになって来たので今年は去年の卵を孵して育てようということにしたんです。
で、育ててみると、実際には成長の早い奴がもう6月から羽をそろえて鳴き始めてしまうんですね。

鈴虫の飼育には普通、植物性(野菜など)と動物性の餌を与えます。
後者の餌としていつもはカツオ節や煮干しを与えていたのですが、今年は用意がなかったので、いつも熱帯魚にやっているフレーク状の乾燥餌をくれてやった所爆発的な食い付きを見せ、そのせいでしょうか、みるみる内に大きくなってしまいました。

やはり自然物とは食いつきの良さが違うのでしょう。
「スズムシのエサ」として開発されたモノですらないのに、ペット産業メーカーの開発努力は恐るべしですね。

昔実家で猫を飼っていた時、ウチの二番目の姉が猫に与えていたキャットフードをふいに一口食べて「あ、美味しい…」とつぶやいてから止まらなくなり、それからしばらくの間はいつも家の中で、猫の顔が印刷された徳用サイズの紙袋(缶詰とかでない乾燥固形フードです)を抱えつつ、それをバリボリと口いっぱいにほおばりながらTVなんか見てました。

子供心に「このままではお姉ちゃんが猫になってしまう」と、とても恐かったのを覚えています。
幸いある時から急にパタッと食べなくなりましたが、恐いのは、今その時の話をしても本人に全くその記憶がなく「そんなもの食べる訳ないじゃん」と、笑って真に受けてくれないことです。

メーカーの開発努力の話をしようとしたのですが、今読み返してみると動物霊に取り憑かれた話にしか聞こえない内容ですね。

店のスズムシ達はまだ小さいのも沢山いますが、この分だと9月までもつかどうかも微妙です。
虫の声イベントは夏の終わりのちょっと寂しい時期に侘びた虫の声を、という演出でもあったのですが、でも本来は夏に鳴くヒト達なんですよね。

そんな店主のあざとい思惑をよそに、一心不乱に鳴いている虫達の声は鳴き始めの頃よりもずっと上達して、より美しく澄んだ声に磨かれて来ています。

羽が生えた直後は「ジ、ジリ…」とか「フィリフィフィ…」とか「テレレ…」とか不細工な感じに鳴き始め、「ちゃんと鳴けない子達なのか?」と思わせるつたなさなのですが、こんな声でも恥ずかしがることなく一生懸命鳴き続けます。

でもそれを来る日も来る日もひたすら繰り返していく内に、いつの間にか鈴虫らしい「リリリ…」という音を奏で始め、「お、鈴虫…」と思えるような声になってきます。

で、彼らが偉いのはそこで満足せずに、さらにさらに無心に鳴き続けるんです。

すると音はどんどんと広がりを見せ、音色はますます美しく澄み、ついにはあの不思議なコーラスが効いた鈴虫特有の「リイィィィィィィィン…」と心の奥に響く幻想的な鳴き声に到達するんですね。

あのつたない鳴き声の子達がひたすら鳴き続けてこの声を造ったのかと思いながら聞くと軽く泣けてきます。

鳴き始めの頃に「よし、6つある虫かごの内の一つに、特に音楽性の高いエリートばかりを集めてアール座聖歌隊を作ろう」「ああだめだ。近くに寄ると鳴きやんでしまうので、どれがどの声の主なのか分からない…」などとやっていた自分のアホさと俗っぽい能力主義がイタいです。

なので、今年は自然の成り行きに任せて夏の夜を虫の声で飾ってみようかと思っています。
8月になったら、他の種類の虫も投入予定ですので、楽しみにしていて下さいね。

さて、ギャラリー展のお知らせです。

最近お問い合わせを多く頂いているアール座ギャラリーですが、現在の所はっきり確定しているのは、7月下旬から絵画と人形展、9月中旬からはオブジェと絵画展、11月下旬から年末までのコレクション展の3つです。

震災の影響でキャンセルが続いたため、年内は結構空きがありますので、お考え中の方はお気軽にご相談下さいねー。

先ずは7月

清彰子個展「ルック アット ミー展」 
7月23日(土)〜8月5日(金) ※29日(金) 午後4時〜7時は貸切

幻想的な童画と人形の作品展です。
アール座ギャラリーにはクラウンやイタリア喜劇系の作品の出品が多く、空間にもよく似合うと思うのですが、今回もそんな雰囲気たっぷりの作品達が店内を幻想的に飾ってくれます。

「人は誰でもずっと、だれかに自分を知っていてほしい。だから私も作品を作りつづけてきた。絵も人形も、私の代わりに叫んでるの。ルックアットミー!ってね」と語るのは、今年86歳になるアーティスト・清彰子さん。

86年分のルックアットミー!ぜひご覧下さい。




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